自己肯定感って本当に必要? セルフラブ迷子でも幸せに生きる5つの方法
「自己肯定感」という言葉があふれかえる令和の時代に一石を投じる新刊『自分が嫌いなまま生きていてもいいですか?』(講談社)が好評発売中のライター横川良明さん。自身の経験からたどり着いた、自分嫌いでも幸せに生きるための方法とは? 自己肯定感が低くても前向きになれるヒントが盛りだくさん。
いつからでしょう、こんなにも人が自己肯定感なるものにしがみつくようになったのは。一切統計に基づかない感覚で言い切ると、20年くらい前は自己肯定感なんて、ここまで言ってなかった気がします。それが今や親の顔よりよく見るワード。 本屋に行けば自己肯定感に関する書籍が並び、タイムラインをボーッと眺めていると、意識高めのアカウントが自己肯定感を高めるコツとか流してくる。いちばん大事なことはプロフィールに書いていたりする。誘導すな。
自己肯定感が高い方が、きっといろいろ生きやすいんだろうなとは思います。とはいえ、もともと自己評価の低い人間が自己肯定感を上げるのは至難の業。今からいきなり大谷翔平になれと言われるのと同じくらい無理な話です。 大事なことは、大谷になれなくても、自己肯定感が低くても、幸せになれる。そういう生き方のはず。そこで今回は、やたらと自己肯定感が求められるこの時代に、自分を好きになれないセルフラブ迷子でも幸せに生きる方法を考えてみます。
自己評価ではなく、他者評価を信じる
「自分軸」という言葉が広まり、自分の人生の評価は自分で下すという考え方が主流になってきました。基本的にこの考え方には賛成しているのですが、何事にも向き不向きはあるもの。自己肯定感の低い人間が自分を評価したところで、夏井いつき先生くらい辛口採点になるのがオチです。
自分を信じられない人間にとって重要なのは、自分を信じることではありません。むしろ自分なんて信じられなくていい。その代わり、信じられる誰かを見つけてみる。そして、その人が言ってくれる自分の評価をほんのちょっとだけ信じてみること。自分で自分の長所なんて挙げられないけど、信頼している誰かが認めてくれた長所なら、少しは素直に受け止められるものです。 常に自分が決定権を握るばかりが正解ではありません。他人に手綱を委ねるほうが向いている人は安心して預けちゃえばいいのです。