『デビルサマナー ソウルハッカーズ』が発売された日。インターネット社会を予見する内容。仲間の葛藤を描くヒューマンドラマは色褪せない【今日は何の日?】
※本記事は、2023年11月13日にアップした記事を再編集したものです。 『デビルサマナー』シリーズの2作目 【記事の画像(9枚)を見る】 いまから27年前の1997年(平成9年)11月13日は、セガサターン(SS)用ソフト『デビルサマナー ソウルハッカーズ』が発売された日。 『デビルサマナー ソウルハッカーズ』は『真・女神転生デビルサマナー』に続く『デビルサマナー』シリーズの2作目。前作と同じく、悪魔召喚や悪魔合体といった悪魔を仲間にしていく『真・女神転生』シリーズおなじみのシステムが搭載されています。 本作の大きな特徴は、すべてがコンピューターで管理された近未来が舞台となっていること。本作が発売された1997年といえば、ADSLなど大容量通信ができるインターネット接続サービスが普及するかなり前なので、バーチャルリアリティを題材にしているストーリーはまるで未来を予見するような内容でした。 本作の主人公は、ハッカーグループ“スプーキーズ”に所属するハッカー。物語は、彼が“悪魔召喚プログラム”がインストールされた銃型携帯端末“GUMP”を手に入れたことによって大きく動き始めます。 GUMPのプロテクトを解除すると、“ネミッサ”と名乗る女悪魔が出現し、幼なじみである遠野瞳に乗り移ってしまうのです。主人公はネミッサとともに街で多発する怪事件の真相を探っていくことになるのですが、巨大な陰謀などのスケールの大きい事件を追うスリリングな本筋はもちろん、ネミッサやスプーキーズのメンバーの心理描写も巧みに描かれているので、つい物語に入り込んでしまいます。 スプーキーズはリーダーのスプーキーを始め、兄貴分のランチやお調子者のシックス、子どもっぽいユーイチなど個性的なメンバーが揃っており魅力的。それだけに物語の中で待つショッキングな出来事は深く心に残り続けます。 なお、後に発売された他機種版は2周目に別ルートが用意されており、条件を満たすことで悲劇を回避することも可能です。 探索するダンジョンは3Dになっており“ビジョンクエスト”という独自のシステムがありました。 これは不遇の死を遂げた者の人生を追体験するというもので、後に主人公が挑むことになるダンジョンを別の強力なパーティで探索し、予習ができる仕組み。ゲームを遊んだことがない人は「同じダンジョンを2回も攻略しておもしろいの?」と思うかもしれませんが、描かれるストーリーはまったく違いますし、時間が経過して建物の構造も変わったりしているので新鮮に楽しめます。 1999年にプレイステーション、2012年にはニンテンドー3DSにも移植され、長く愛されている作品。そして、2022年8月25日には待望の続編『ソウルハッカーズ2』も発売されました。最新作もいいですが、いまなお色褪せない本作を、ぜひ遊んでみてほしいです。 ※画面はニンテンドー3DS版のものです。