賞金女王争いだけでなく東京五輪代表争いも混沌!渋野日向子の逆転賞金女王獲得はあるのか?
さらにお尻に火がついてきたのが東京五輪の出場権だ。 24位となっている鈴木の世界ランキングも大幅に上がることが確実。今回の優勝で来季の海外メジャー、「HSBC女子世界選手権」の出場権も獲得した。現在、世界ランキング13位の渋野が当確と思われた五輪代表争いさえも混沌としてきた。 東京五輪の代表は大会ごとの成績をポイント換算して算出される世界ランキングに基づく来年6月末の五輪ランキングで決まる。日本の代表枠は「3」に増える可能性もあるが、現状では「2」。渋野の世界ランキングは、日本選手最上位の畑岡奈紗(森ビル)の4位に次ぐ2番手の13位だが、この順位をキープし、さらに上げていくためにはポイント配分の高い米ツアーを主戦場とする方が有利。だが、渋野は19日(日本時間)が締め切りとなるツアーメンバー登録の申請はしないことを改めて明言。米国行きを見送り、東京五輪イヤーの2020年も日本を主戦場として戦うことを決めた。 「まだアメリカで一年間、戦う覚悟ができていない。覚悟が決まっていない状態で行っても、絶対にいい結果は出ないと思う」と説明。 さらに「もっと覚悟を決めてから行くべきだし、もっとレベルを上げてから行きたいと思う。気持ちの部分が強いのかなと思う」とも話した。 ただ全英の優勝で来年から5年間、ほかの試合よりポイント配分の高い海外メジャーは無条件で出場できるため、そのチャンスをうまく生かしたいとの青写真がある。米ツアー関係者は、「5つあるメジャーのうち全英女子オープン以外の4試合は五輪前に開催予定で、エビアン選手権は7月開催となる予定だ」と話した。 国内ツアーで結果を残しつつ、6月までに開催予定の「ANAインスピレーションズ」、「全米女子プロ選手権」、「全米女子オープン」の3試合には最優先で出場。そこでポイントをしっかり上積みし、五輪切符を盤石のものにしたい考えなのだ。さらに全英の優勝で来年2月にシンガポールで開催される米ツアーの「HSBC女子世界選手権」にも主催者推薦で出場できる。渋野サイドからの表明はまだないが、出場することは確実だろう。 だが、鈴木の追い上げを考慮すると、これらの米ツアーで確実にポイントを稼ぐ必要が出てきた。 「世界ランキングだったり、女王争いだったり、上位に行くには頑張るしかない」 渋野も自らが置かれた状況を理解している。 次戦の「伊藤園レディス」の初日15日は21歳の誕生日。「20歳の1年を漢字一文字で表わすと『恥』。たくさんの人に自分を知っていただいて、照れくさいし、恥ずかしかったから」。いつもの笑顔に戻ったシブコが、来年の五輪出場を見据えつつ今シーズン最後の戦いにスパートをかける。