用意するのは紙とペンだけ。「出来事」と「思い」を日本語のリズムに乗せて《俵万智さんの短歌入門レッスン・基礎編》
《手紙を書くつもりで》 短歌では、日常の出来事を題材にすることが多いので、「日記みたいなものですか」とよく聞かれます。日記なら、書いて引き出しにしまっておけばいいわけです。 でも短歌という形にするのは、この思いが誰かに届けばいいな、共有できればいいなという気持ちがあるからではないでしょうか。 ですから日記より、手紙に近いと私は思っています。読む人にちゃんと伝わるかどうか、読む人の目になって推敲しましょう。 《歌会に参加してみよう》 短歌結社では、定期的に歌会が開催されています。参加者それぞれが持ち寄った歌を無記名で配布し、良いと思った作品の投票を行ったり、感想や批評を語り合ったりして切磋琢磨しているのです。 最近は、短歌投稿サイトやカルチャーセンターが主催するオンライン歌会なども人気があります。参加しやすいところをぜひ探してみてください。 自分の歌が思いがけない伝わり方をしているとか、さまざまな気づきが得られ、勉強になりますよ。 (構成=篠藤ゆり、撮影=大河内禎)
俵万智
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