正しく投票しないと大切な一票が無効になる?
せっかく投票をしても「(候補者名)ちゃん」、「必勝(候補者名)」など、余計な記載がある票は、1票と認められなくなることがあります。何をすると無効になってしまうのか事例や開票の手順を紹介します。 ■無効票になる余分な記載 1. 用紙に「○」「×」「ハートマーク」などの記号 2. 「頑張れ」「必勝」などのメッセージ 3. 複数の候補者名 4. 所属していない政党名 5. 「ちゃん」(「さん」「くん」「様」などの敬称は有効) 6. 「さんへ」 投票箱を開けた後、票の一枚一枚は読み取り分類機と呼ばれる機械で、各候補者の票、機械で読み取れなかった票に分類します。機械は、投票用紙の候補者名を書く枠の中しか読み取ることができません。機械で分類した後は、正しく分類されているか人が確認します。同時に、無効票になる余分な記載がないか、枠外や用紙裏も確認します。 総務省は、有効票か無効票か判断する細かいルールを設定していません。過去の投票において、高裁、最高裁で行われた裁判の凡例を元に、各自治体選挙管理委員会の専門の係が判断します。この係は、選挙管理委員会OBなど選挙について熟練した経験を持つ人で構成しています。選挙管理委員会は、選挙人の意思を読み取る必要があり、可能な限り有効にします。 候補者の所属する政党名、住所、生年月日、屋号、旧姓など本人と特定できる記載は有効です。 そのほか過去の凡例には、ボールペンで記載した跡があるが、インク切れなどで色素のない文字は無効。第三者の記載がある票は、無効。投票用紙の1/3が消失していても候補者名が確認できる場合は、有効。投票記載台に貼ってある候補者名の用紙を見間違えたと考えられる票も有効。(例:立候補者「森たろう」を「林たろう」と記載。同じ選挙区に林という姓の候補者がいない場合のみ有効) 同じ選挙区に、姓が「鈴木」の候補者が2人いる場合で、投票用紙に「鈴木」しか記載のない票は、二人の鈴木さんの合計獲得票の割合を元に按分(あんぶん)します。 開票をしていると筆圧が弱く、何が書いてあるか分からない票もあるのだそう。東京都港区選挙管理委員会事務局では「どんな票でも一文字ずつ何が書いてあるのか、できる限り読み説いている」と話しています。