日テレ「イッテQ」はやはり強し…業界で囁かれ始めたテレ朝「ポツンと一軒家」の“宿命”とは
世帯視聴率では計れない
「『ポツンと一軒家』は世帯20%を超えていた頃もありましたし、個人でも22年から『イッテQ』を凌駕し、テレ朝のNo.1番組でした。ところが、今や世帯視聴率は昭和・平成の時代との比較指標になるだけで、テレビ局の営業的には意味をなさなくなっています。それに代わる個人視聴率ですら指標として当てはまらなくなってきています」 最近は「購買意欲の高い13~49歳の個人視聴率」、いわゆるコア視聴率が重要な指標になりつつある。 「高齢者ばかりが見ているようなコア視聴率が取れない番組にはスポンサーがつかないので、商売にならないのです。そして、TVerのような広告付き無料配信の視聴者数も新たな指標となってきています」 ならば、3月3日の日曜夜8時の番組をコア視聴率で見るとどうなるか。 ●「世界の果てまでイッテQ」7・6% ●「ポツンと一軒家」1・5% ●「バナナマンのせっかくグルメ」4・0% ●「千鳥のクセスゴ!」4・0% 「ちなみに、大河『光る君へ』のコア視聴率は2・3%ですから、『ポツンと一軒家』は低調と言われる大河よりも取れていないことになります」 指標が変わった結果ではないだろうか。
1コンセプトの宿命
「最近の『ポツンと一軒家』は世帯視聴率で見ても20%どころか10%台前半が続いていますから漸減傾向にあります。やはり1コンセプトもののバラエティ番組の宿命と言っていいと思います。ネタ切れとマンネリには勝てないのです」 それは歴史が証明するという。 「『ポツンと一軒家』の時間帯は大阪の朝日放送の制作枠で、かつては『大改造!! 劇的ビフォーアフター』が放送されていました。この番組にも同じことが言えます」 古い家を大改造して住みやすくするのはもちろん、家族の絆まで解決する番組は、2002年にレギュラー放送が始まり、特番として放送された06年からの3年間を挟み、16年まで放送された。以降は特番として不定期に放送されている。 「『ビフォーアフター』は03年3月に世帯17・2%を記録し、同年にはサザエさんの声を務める加藤みどりのナレーション『なんということでしょう!』も含め新語・流行語大賞のトップ10にも選ばれました。レギュラー終了の理由は、東日本大震災や東京五輪の建設工事の影響で、番組で扱う物件の工期が遅れたためということでしたが、視聴率低下も原因でしょう。実際、16年11月27日の最終回は世帯7・9%で、裏の『イッテQ』の世帯20・8%に惨敗しました」 これも1コンセプトものの宿命なのか。