「(斎藤知事の)パワハラはなかった」と百条委の委員長が発言? 前後の文脈を無視した切り取り動画【ファクトチェック】
判定
奥谷委員長が「私の認識では明確に知事の方からパワハラを受けたという方はいらっしゃらなかった」と発言していることは事実だが、その後に「職員自身では評価できないという方もいるので、我々でパワハラにあたるのか評価する」「厳しい叱責を受けたことがある方は結構いた」と発言した部分が削られている。拡散した「委員長が『パワハラはなかった』と発言した」という主張は部分的な切り取りで不正確だ。
あとがき
JFCでは斎藤知事のパワハラ疑惑に関して、これまでも「パワハラしていない」という言説に「根拠不明」という判定のファクトチェック記事を出しています。県職員アンケートで140人が実際に目撃や経験をしたと回答している他、本人も百条委や演説で厳しい叱責をしたことを認め、反省の言葉を述べています。 斎藤前兵庫県知事はパワハラしていない? 職員の4割が見聞き、本人は厳しい叱責など認めて「必要な指導」【ファクトチェック】(関連記事リンクでご確認ください) 厳しい叱責などは厚生労働省の「パワーハラスメントの定義について」の例に当てはまるものですが、パワハラと認定されるかどうかは、まだ決まっていません。 百条委員会は11月25日に斎藤氏など4人に出席を求めて証人尋問をし、年明け以降に調査報告をまとめたいとしています(NHK)。 検証:木山竣策 編集:宮本聖二、古田大輔、藤森かもめ 判定基準などはJFCファクトチェック指針をご参照ください。