蹴ってくる介護士…入浴も減らされ人格尊重義務違反 あきれた老人ホーム、さらに158万円分の不正請求 虚偽報告も 通報で発覚し処分…新規受け入れ停止、介護報酬を7割に制限
利用者に対する暴力行為などが確認されたとして埼玉県川口市は1日、介護保険法に基づき、社会福祉法人「カナの会」(さいたま市大宮区仲町、井沢千鶴理事長)に対し、同法人が川口市前野宿で運営する特別養護老人ホーム「カーサ・川口」での新規利用受け入れ停止、および介護報酬を7割に制限する行政処分を行ったと発表した。処分期間は1日から10月末までの3カ月間。 市介護保険課によると、2022年8月ごろ、同施設に関する通報があり、市が監査を行ったところ、介護士が利用者の足を蹴るといった暴力行為、必要な手続きを経ていない身体拘束、入浴頻度が国の基準を下回る介護放棄・放任といった人格尊重義務違反が確認された。これら行為によるけが人はなかった。同課によると、監査実施時に専従させるべき機能訓練指導員を兼務させて約158万円分の不正請求を行っていたことや、虚偽報告なども確認されているという。