休みの日は朝からポテチを3袋食べて「ご飯、もうないの?」子どものおやつを漁る偏食夫「子供のためにも離婚すべきか」真剣に悩む理由
ポテトチップスを立て続けに3袋完食…
現代人は食生活によって健康を脅かされることが少なくない。たとえば冠動脈疾患の発症リスクを高めるという指摘があるのが、工業的に作られるタイプのトランス脂肪酸。 「大浴場に人糞が垂れ流し」「外から鍵をかけて…」いま、地方のリゾマンが「姥捨山マンション」と化しているあまりに悲しい理由。 これは揚げ物やスナック菓子などに含まれていることがあるとされ、幅広い世代にとって摂り過ぎには注意が必要だ。 危機管理コンサルタントの平塚俊樹氏は偏食や間食の摂り過ぎについてこう警告する。 「大人の偏食や間食のし過ぎは、健康被害に直結してしまうこともあるので注意するのは当然ですが、気をつけたいのがお子さんへの影響。 子どもの食育に関して夫婦間で意見が食い違ってもめてしまう、などというご家庭もあるのではないでしょうか。人間誰しも多少の好き嫌いはあると思いますが、子どもの成長や健康のためと割り切り、ご自身の食の管理にも目を向けてみてください」 今回、夫の偏食やスナック菓子好きに対する悩みを聞かせてくれたのは、結婚9年目で2児の母でもある会社員の長峰ゆうなさん(仮名)。 ゆうなさんは、夫がスナック菓子を中心とするおやつを、毎日欠かすことなく食べ続けていること、さらには好き嫌いが多く、食に関して子どもよりも手がかかることにほとほと手を焼いているという。 「私は本当に悩んでいるんですが、内容が内容なだけに、友達とか母親に言っても笑い話みたいになって終わってしまうんです。それがまた歯がゆくて」 会社経営者であるゆうなさんの夫(40歳)は、ことあるごとに「俺の唯一のストレス解消法なの」と言っては、過剰な間食を心配するゆうなさんの言葉を遮ってしまうのだそう。 「夫の父親が50代のはじめに血管系の病気で倒れたことがあると義母から聞いてましたし、義祖父も循環器系の病気で亡くなっているそうなので、私は前から用心していて、ご飯を作る時も塩分に気をつけてるんですよ」 しかし、夫はゆうなさんのそんな健気な努力を嘲笑うかのように不摂生をくり返している。 「何とかして食生活を改善したいんですが、肝心な本人は危機感ゼロなんです。体調が悪くなってからやっとヤバいってなるんでしょうが、それでは遅いと言っても聞きません」 もともと夫はひどい偏食家だという。 「食べられるものの方が少ないのではないか、と思うほど苦手なものが多いんです。野菜全般、魚介類、海藻、乳製品もチーズ以外は好きではありません。好きなものは子供みたいなご飯です。ハンバーグ、オムライス、唐揚げ、的な」 結婚前につき合っていた頃や新婚当時は「子供みたいな味覚でかわいい」とさえ思えた夫の偏食だが さすがに2児の父親になった夫が経済新聞を片手にお菓子をボリボリ食べまくったり、おかずの付け合わせ野菜を全残ししたりする姿を目の当たりにすると「おいおい、シャレにならんぞ」と思うようになったそうだ。 「子どもがよく、ピーマンやニンジンの細かく切ったものまで脇によけて叱られたりしますよね。あんな感じです。みじん切りにしてハンバーグに入れ込むと、箸の先で取り除くんですよ。その労力ほかに使えよと思っちゃいます」 夫はピーマンのにおいが移ったハンバーグはもはやハンバーグじゃない、とのたまう。 「うるせー、だったらお前が作れよって言ってやりたいんですけど、性格自体は憎めないかわいい人なので、怒り心頭になりつつも今まで丸め込まれてきた感じです。 健康診断で今のところまだ異常がないことが、より夫を調子に乗らせているんです。40代後半とか50代とか、これから間違いなく変化が来るのに、全然わかってない」 夫が40歳になってからは彼の健康に対する心配がさらに強まり、あの手この手で野菜を食べさせようとしているという。しかし、危機感を募らせている妻を尻目に、夫は相変わらずわがままな食生活を続けている。 「鍋物に入っている白菜やネギなどはいいんですが、毎日鍋物というわけにも行かないですし、どのみち食べられる種類が少ないので栄養が偏ります。お豆腐も嫌いで、基本的に鍋物も嫌がるし」 夫の悲惨な食生活は子育てにも多大な悪影響を与えているのだという。ポテトチップスを立て続けに3袋も開ける姿を見せるのは、「食の虐待」につながるのではないかと危惧しているのだ。 後編に続く。 取材/文 中小林亜紀