【対談】工藤公康さんが迫るエイジェック 日本選手権初出場のチーム作り
毎日新聞社
プロ野球・ソフトバンク元監督の工藤公康さん(60)が、第48回社会人野球日本選手権大会(京セラドーム大阪)に初出場するエイジェック(栃木)の難波貴司監督(58)と京橋幸多郎主将(25)と対談した。2018年創部の若いチームは今季から選手が大幅に増え、企業登録では異例の選手44人が所属する大所帯。工藤氏がチーム作りについてたずねると、選手への「通知表」を上手に活用していた。【構成・安田光高】 【DeNAドラ1・度会所属のENEOSも】社会人野球日本選手権2023の出場チーム
創部6年目の若き「雑草軍団」
工藤 初めての日本選手権出場です。 難波 実力が伴っているとは言えないですけど、非常に運が良く出られました。創部6年目で選手は44人いますが、選手の平均年齢は24.7歳。実績のある企業チームは平均27歳ぐらいで、在籍年数も6、7年。うちは在籍年数は平均2年。主将も3年目です。若いことがダメではないが、社会人野球はベテランの味、中堅の力、若手の勢いがうまくマッチすると、結果が伴います。若い選手だけで戦っているので、完成度は低いが、今回はうまくいきました。 工藤 監督のマネージメントの力では? 44人をまとめるのは非常に難しいことではないかなと思う。 難波 学生時代に神宮球場などで活躍したエリートが来てくれるようなチームではない。野球をまだやりたいという思いが強い雑草軍団。みんなで力を合わせ、まさしく数で勝負しています。 工藤 思いが強い選手が集まったとしても簡単に日本選手権に出られるわけではない。育成はどうされていますか。 難波 AチームとBチームがあり、振り込みやノックをたくさん受けるなど、自分の足りない部分はBチームで補います。Aチームはオープン戦など実戦形式が多くなります。Bチームで鍛えて上がってくるのがうまく回りました。選手に闘争心が非常に芽生え、春、夏、秋でレギュラーがかなり違います。日本選手権でも一度も公式戦に出たことがない選手が出ます。社会人野球のレベルは高いが、ちょっと頑張ってコツをつかむと、結果を出してくれます。