元「このマンガがすごい!」編集長薗部真一さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊「表紙でドキリ」
人生で思わず夜ふかしして読んでしまったマンガは?
◆『ベルサイユのばら』池田理代子/フェアベル フランス革命前後を舞台に、男装をした女性オスカルやフランス王妃マリー・アントワネットらの波乱万丈な生涯を描いた不朽の名作。 「アニメ映画化が発表になった夜、またやっちまいました。しかも、あれほど展開も重厚で、多くの感情が詰まっているのに、本編は全9巻と短いので一晩で読めてしまう。1巻の『きょうは ベルサイユは たいへんな人 ですこと…』。なんでもない社交辞令の言葉が、これほど深いとは……真の名作」
薗部真一さんの「マンガを読むときのマイルール」
「食事、移動、ベッドで。いつでもどこでもマンガが読めて幸福です」
今、最も注目している新人作家とその作品は?
◆『線場のひと』小宮りさ麻吏奈/リイド社 「戦後」と呼ばれる時代を日本とアメリカに生きた、異なる背景やアイデンティティを持つ4人の物語。 「久しぶりに表紙買いをした。自分が多感な人間になったように感じるくらい、コマから感情がほとばしる」
食欲の秋に読みたくなる「グルメマンガ」は?
◆『ごはんのおとも』たな/実業之日本社 たまごの黄身のしょうゆづけ×独身男子、しそみその焼きおむすび×女子大生、なすの浅漬け×おばあちゃんなど、幸せの笑みがこぼれる8つのレシピとストーリー。 「優しい話とやけにおいしそうなごはん。絵のうまい人ならほかにもいるかもしれないけど、お話と相まってこんなにおいしそうなのはなかなかないですよ」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『犬と猫どっちも飼ってると毎日たのしい』松本ひで吉/講談社 天真爛漫な犬くんと、魔王のように凶悪ながら愛らしい猫さま。笑いありホロリありのコミックエッセイ。 「そりゃそうでしょう、かわいいでしょうよ、という想像を上回るハチャメチャぶり。それは、楽しいわな!」 編集者・元「このマンガがすごい!」編集長 薗部真一(そのべ・しんいち)さん 文藝春秋編集者。担当作に『週刊文春エンタ+』『証言「機動戦士ガンダム」』『「この世界の片隅に」こうの史代 片渕須直 対談集』(以上、文藝春秋)『翔んで埼玉』(宝島社)など。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)