「かかって来いよ!」鈴木みのる、約7年ぶりリングの高山善廣さんを“涙の挑発” 時間無制限一本勝負はノーコンテストも感動の渦 高山さんの目にも涙…
2017年5月4日のDDT大阪・豊中大会、不慮の事故で負った頸髄(けいずい)完全損傷との闘いを続けている高山善廣さんが3日、東京・後楽園ホールで開催された「TAKAYAMANIA EMPIRE 3」にサプライズ登場。およそ7年ぶりに高山さんがファンの前に姿を現すと、後楽園ホールが盛大な「高山コール」と拍手、歓声などで熱狂に包まれた。その後、高山さんをリングに呼び込んだ鈴木みのるとの時間無制限一本勝負がゴング。「かかって来いよ!」と“涙の挑発”を行った鈴木に対して、何度も体を起こそうと奮闘する高山さん。その左頬には、瞳から伝う一筋の涙が輝いていた。 【映像】高山善廣さん、サプライズ登場で鈴木みのると「涙のバトル」 同大会は2019年8月にEMPIRE2を行なって以来、新型コロナウイルスの感染拡大防止などの観点から開催が見送られていた。ファン待望、じつに5年ぶりの「TAKAYAMANIA EMPIRE」となる。 メインイベント、鈴木みのると柴田勝頼の試合後、柴田が「次もやりましょう。いつだって、高山さんのためなら協力します」と声を張り上げ、会場は大歓声。その後、鈴木みのるが「こいつ(柴田)が言いやがったから、以下、同文」と笑いを取ると「高山頑張れって、一人一人がたくさんのお金をこの大会につぎ込んでくれて…スタッフ一同、皆を代表してお礼を言います。ありがとうございました」と鈴木は頭を下げた。 鈴木の号令により出場レスラーがリング上に上がると、各方面のファンに向かってリング上でフォトセッション。とここで、鈴木が「今日のスペシャルゲスト、高山善廣!」とまさかのコール。 「高山コールで」で会場騒然となるなか、鈴木の呼びかけで姿を現したのは、2017年に頸髄完全損傷と診断されて以来、現在も懸命のリハビリを続けている高山さん。みんなに促され、サポートされて高山さんがリングに上がると、鈴木と高山さんが両コーナーに分かれる。そこで、時間無制限一本勝負のゴングが打ち鳴らされた。 車椅子に座る高山さんに対して、ゆっくりと歩み寄った鈴木は「来いよ!」「やってみろよ!」「来いよ、この野郎」と涙ながらに挑発を繰り返す。これに対して、高山さんは表情を歪めながら、何度も上体を起こそうと試みる。 その間も、館内には万雷の「高山コール」が鳴り響いたが、高山さんは体を起こすことができず…さらに鈴木は「立てねぇのか、立てねぇのかよ、立って来いよ!」と更なる挑発。ただ、そんな鈴木の目には涙が浮かんでいた。 その後、マイクをとった鈴木は「お前が立てねぇんならよ…この勝負、お預けにしてやるよ」と一言。その瞬間、高山さんの左頬を、一筋の涙が流れ落ちた。 「その代わりよ、テメェが帰ってくるまで、俺はな、このプロレス王の座で、お前のことをずっと待ってるからな。何が帝王だ、今の帝王は…この、鈴木みのるだ! 悔しかったら立ち上がって、俺の顔を蹴っ飛ばしてみろ!! この野郎」 鈴木はそう述べると、高山さんに歩み寄り「待ってるからな、絶対やろうな。絶対諦めんなよ!わかったな!」と何度も語り掛けた。そんな鈴木の言葉に対して、高山さんは何度も頷いていた。 ■高山善廣(たかやま・よしひろ) 1966年9月19日生まれ。196センチ、125キロの恵まれた体を武器にUWFインターナショナルをはじめ、全日本プロレス、新日本プロレス、プロレスリング・ノアなど主要団体で活躍。IWGPヘビー、三冠ヘビー、GHCヘビーなど各団体のベルトを総なめ。「プロレス界の帝王」と呼ばれた。PRIDEなど総合格闘技のリングなどでも幅広く活躍した。2017年の不慮の事故以降、懸命にリハビリに取り組む姿が多くのファンの心を打っている。 ※「高」は本来は「はしごだか」
ABEMA TIMES編集部