バレーボール女子日本代表がまさかの1次リーグ敗退も…古賀紗理那「涙のエース」の魂を継ぐために――
日本の女子バレーを牽引したエースが、涙と共にコートから去った――。 メダル獲得を目指していた世界ランキング7位のバレーボール女子日本代表が、1次リーグで姿を消した。 【発見撮!】古賀&西田夫妻に石川真佑も!全身スポーツウェアの3人が下町の「せんべろタウン」に リーグ第3戦のケニア戦後、写真撮影を終えた古賀紗理那(28)はチームメイトに囲まれながらコートに突っ伏して号泣。それまで気丈に振る舞っていたが、感情を抑えきれなかった。 「今日はキャプテンとか考えず、バレーボールが大好きな古賀紗理那として戦いました」 中継インタビューで、そう言葉を絞り出すと、再び涙を流した。 リーグ全試合を終えた日本は、勝利数・ポイントが同じだったアメリカをセット率で上回ることができず、1次リーグで敗退。ロンドン五輪以来12年ぶりとなるメダル獲得の夢はあっけなく潰えた。 日本代表に足りなかったものは何だったのか。元バレーボール男子日本代表の山村宏太氏が分析する。 「諸外国と比べると、アタックラインよりも後ろから攻撃するバックアタックの威力や使用頻度が日本は足りなかったと思います。近年、海外の強豪は高身長化しており、バックアタックが有効です。これまで、トスが上がってから1秒以内にアタックする『マッハとジェット』を強化してスピードで勝負していましたが、サイズで劣る日本は今以上にバックアタックを増やし、決定力を上げる必要があるでしょう」 一方で、長らく女子日本代表の主軸として活躍した古賀をこう称えた。 「海外でも通用するスピードのあるスパイクや、意図的に相手ブロックにボールを当ててアウトにさせる能力は、群を抜いていました。試合中、常に声を出してチームメイトを奮い立たせていた姿も印象的です。彼女が技術的にも精神的にも支柱になっていたことがよくわかります。自分より年上の選手もいるなかで、主将を務めるのは簡単なことではありません。それでも結果を出しながら全体を引っ張っていく姿が、今大会のチームを作り上げていったのだと思います」 大きな存在だった古賀の魂を継ぐ選手は現代表にいるのか。山村氏は石川真佑(24)と和田由紀子(22)の名前を挙げた。 「石川選手はバレーボールの世界最高峰であるイタリア・セリエAでプレーしたことで、トップレベルの高いブロックに対応できるスパイク力が身に付いたと思います。身長は174㎝と小柄ですが、それを補う技術がある。世界で戦えるだけのポテンシャルを秘めています。 和田選手はチーム最年少ながら、エースアタッカーであるオポジットのポジションを任されていて、攻撃力が非常に高い。日本が得意とするディフェンスやトスの安定性を磨けば貴重な戦力になる。まだ粗削りな部分が多いですが、和田選手の成長なくして五輪でのメダル獲得はないと思います」 パリで散ったエースの雪辱を、この二人がロスで果たしてくれるはずだ。 『FRIDAY』2024年8月23・30日合併号より
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