地域のばあちゃん、外国人実習生の心に寄り添う…「家族や母国の未来を背負う若者。日本で楽しく過ごしてほしい」 南さつま
鹿児島県南さつま市万世地区の高齢者らが、市内の日本語学校で学ぶ外国人技能実習生と交流している。日本文化に触れてもらい、郷土料理でもてなし、「一日でも“おばあちゃん”のような存在となって心の支えになれば」と張り切る。 【写真】〈関連〉和服を装った外国人技能実習生と記念撮影する高齢者=南さつま市の万世地区公民館
同市加世田益山の日本語学校「SLA」は、県内外へ配属が決まった実習生に約1カ月かけ語学や生活全般を指導する。昨年9月、県社会福祉協議会の事業として、実習生が万世地区の高齢者サロンで着付けなど体験。その後、SLAと高齢者が自主的に継続してきた。月1回程度で、市社会福祉協議会の送迎支援もあり、これまで5回ほど交流している。 高齢者は、ボランティア団体「つわぶきの花」(鮫島小代子代表)を中心にサロンに通う女性ら。昨年12月は故郷への絵手紙作り、1月5日は正月遊びを一緒に楽しんだ。SLAの鹿丸あい子事務局長(50)は「実習生にとって実践的な日本語を学ぶいい機会。外国人への地域の理解も深まれば」と相乗効果を期待する。 23日は同市加世田津貫の新澤和郎さん(72)が東南アジアからの7人をキンカン園に招待。その場で食べ大喜びで、昼食は煮しめやおにぎりを堪能した。 インドネシア出身のイザベラ・ビンティ・アマナーさん(25)は「キンカンも料理も最高。優しくしてもらいうれしい」と笑顔。鮫島代表(77)は「交流は楽しく、皆の生きがいになる」と喜び、「家族や母国の未来を背負う若者たちには日本で楽しく過ごしてほしい。つらいときには、あんなばあちゃんたちもいたと思い出してもらえれば」と語った。
南日本新聞 | 鹿児島