ソニーG、通期営業益予想は市場予測を下回る 売上高は上方修正
Ritsuko Shimizu [東京 8日 ロイター] - ソニーグループは8日、2025年3月期の連結営業利益(国際会計基準)を前年比8.4%増の1兆3100億円で据え置いた。IBESがまとめたアナリスト24人の予想の平均値1兆3390億円を下回った。一方、連結売上高は12兆6100億円から同2.4%減の12兆7100億円に修正した。 十時裕樹社長は会見で「ゲーム、音楽を中心に足元での事業モメンタムは良好」と述べた。 自社以外のゲームソフトの販売が増加したためゲーム&ネットワークサービス分野の見通しを引き上げた一方で、モバイル機器向けイメージセンサーの販売数量が減少したため半導体分野の見通しを引き下げた。スマホ向けは、顧客の生産計画の下方修正に伴う修正で、十時社長は「来期以降の見通しは変えていない」と述べた。 10月―25年3月(下期)の前提為替レートは1ドル=146円前後、1ユーロ=160円前後。 今年度の家庭用ゲーム機「プレイステーション5(PS5)」の世界販売台数を1800万台程度の計画を維持している。 24年4―9月期の連結営業利益は前年同期比42.3%増の7341億円だった。上半期として過去最高となった。 7―9月期は売上高が前年同期比3%増、営業利益が同73%増と大きく伸びた。ゲームや音楽などのエンタメ分野が増加した一方で、金融や映画が減収となった。為替も寄与しており、前年同期と同水準の為替とした場合、約1%の減収になるという。 ラピダス(東京都千代田区)への追加出資について、十時社長は「個別の案件についてはコメントを控える」とした。そのうえで、「半導体産業は日本の経済発展・経済安全保障政策上も極めて重要」と指摘。「半導体エコシステムが再強化されることになれば、人材の拡充、高度化、サプライチェーンの強化がなされる。われわれにも業界にも良いこと。一定の貢献はきちんとしていきたい」と述べた。