75年前のプレーボール! プロ野球がまだ1リーグ制だった最後の年の「真剣勝負」
戦争の被害から復旧、昼休みに鉢巻で気合十分
戦争の被害から復旧した鉄道車両工場の昼休み。鉢巻きに草履といういでたちで、一人の男性が打席に立った。ボールをとらえようとスイングする直前だろうか。その真剣な表情が印象的だ。英語版に掲載されることはなかったが、本誌カメラマンのJ・ベイラー・ロバーツが1949(昭和24)年に取材で日本を訪れたときに撮影したと思われる。 ギャラリー:米国野球伝統の始球式、名場面集 写真7点 この工場では、従業員が息抜きに使えるように相撲の土俵も造ったという。 1949年当時のプロ野球は8球団による1リーグ制で、読売ジャイアンツが2位に16ゲームという大差で優勝。MVPは187安打、46本塁打、142打点という偉業を成し遂げた、大阪(現阪神)タイガースの藤村富美男が獲得した。 しかし同年、リーグは新球団加盟をめぐって分裂。翌50年から、プロ野球はセントラル・リーグとパシフィック・リーグの2リーグ時代に入っていく。 この記事はナショナル ジオグラフィック日本版2024年4月号に掲載されたものです。