生徒80人が避難所運営を体験 館山総合高(千葉県)
館山市の館山総合高校で、避難所を運営するシミュレーションがあった。生徒約80人が運営スタッフ役となり、避難者の誘導や要救護者の対応などを体験。災害時に自身が取るべき行動を考えた。 同校では2011年の東日本大震災、19年の台風被害をきっかけに家政科を中心に防災教育に力を入れている。今年8月には「第72回全国高校家庭クラブ研究発表大会」の学校家庭クラブ部門に関東ブロック代表として出場。防災に関するこれまでの取り組みを発表し、全国2位に当たる産業教育振興中央会賞を受賞した。 今回は、家政科だけだった取り組みを全学科に広げ、1年生にも避難所運営を体験してもらうことにして、この日に向け、「総合的な探求」の授業で防災に関する事前学習を進めてきた。 避難所運営のシミュレーションは、シナリオに基づいて、参加者が受け入れ役と避難者役に分かれ、具体的な役割を演じる形で実施する。 この日は、地域住民も避難者役として参加した。運営役の生徒たちは、それぞれ本部、受付、誘導、伝達の役割に分かれ、車いすの人など介助が必要な人や、けがで救護が必要な人にも優しく声を掛けるなどの対応に当たった。高齢者や迷子、妊婦など立場を考慮しながら、避難者役の状況に応じて避難場所に案内した。 運営後は、各担当ごとに反省点や良かったことを話し合い、災害が起きた時、自分たちに何ができるのか考え、発表しあった。 受付を担当した家政科3年の島田彩瑚さん(18)は「受付で避難者がどんな状態なのか聞き取ることが大変だった。難聴の人がいた場合は筆談などで対応すべきだと思った」と話した。 (芝暉)