根強い人気。テーマパーク界のレジェンド、あらかわ遊園100年への深化
2011年から区が再直営化、2016年度に入園者数40万人突破
あらかわ遊園は、2006年に指定管理者制度に基づいて運営を財団法人に委託。指定管理者制度を活用することで、経営効率を高めるとともに民間の発想を取り入れてサービスの充実を図りました。 しかし、2011年には再び経営が区の直営に戻されます。再直営化したことで、荒川区はあらかわ遊園を子育て支援施設であることを明確に打ち出したのです。あらかわ遊園が直営化したことでサービスなどが低下し、有料である“遊園地”の入園者が減少することも心配されました。 実際、直営化直後の入園者数は減少しましたが、2013年度からは増加に転じています。その後も順調に入園者数を増やし、2014年度には直営前の入園者数を上回りました。そして、2016年度には年間40万人を突破。あらかわ遊園の人気は確固たるものになっているのです。 単なる遊園から、子育て支援施設であることを明確にしたあらかわ遊園ですが、子育て支援施設になったことでどんな変化があったのでしょうか? 「目に見える変化には、乳幼児連れの親子でも気軽に来園できるようにベビーカー置き場を広くしたことや授乳・おむつ替えといったスペースを設けたことが挙げられます。そのほか、荒川区とゆかりの深い岩手県北上市や秋田県秋田市とも連携して雪で遊ぶイベントや竿灯まつりを催行するようになりました。こうしたイベントを開催することで都市間交流が活発になるとともに、あらかわ遊園に来園する子供たちが他都市の歴史や風土を知る学びの場にもなっています」(子育て支援部荒川遊園課担当者) 入園料を必要とする遊園地部分は1991年に大規模改修を実施していますが、施設を再更新するために今年12月1日から休園します。テーマパーク界のレジェンド・あらかわ遊園がリニューアル開園するのは、区営化70周年にあたる2020年です。 新しく生まれ変わるあらかわ遊園は、どのように深化するでしょうか? 小川裕夫=フリーランスライター