【プベルル酸】「毒性が強いと言い切るのは難しい」マウス5匹中4匹死んだ論文は「マラリア感染マウスでの実験」小林製薬の紅麹 専門家の見解
5匹中4匹死んだ…のはマラリア感染のマウス
(東京工科大学 今井伸二郎名誉教授)元々、厚生労働省がプベルル酸が毒性が強いと言った根拠っていうのは、北里大学が出した論文を引用してるんです。 北里大学の論文の中身を見てみると、「元々マラリアを感染させたマウスにプベルル酸を摂取させたときに、5匹中4匹が死んでしまった」というデータから話をしています。 ただ、毒性を評価する際には、マラリアに感染させたマウスとかではなく、普通のマウスでやるものですから、そこで死んでしまった原因というのが、プベルル酸だけによるとは限らないことになってしまうんです。 ですから、私はそのデータだけから見て、プベルル酸が強い毒性が強いということを言い切るのはちょっと難しいんではないかというふうに考えています。 ――今井名誉教授は「プベルル酸の特性はわかっているんですけれども、別の何かと組み合わせたときの反応はまだわかっていない、そのため原因物質の特定は非常に難しい」という見方も示しています。
(東京工科大学 今井伸二郎名誉教授)プベルル酸自身が腎臓に対して毒性が出るかどうかっていう試験をするには、マウスを使った毒性実験が必ず必要になってきます。それを行うには数か月は最低でもかかる実験です。 それだけでも大変であるのに、さらに複合的な作用を見るとすると、組み合わせが無限に近いほど多くなってしまって、非常に時間がかかるだろうと想定されます。 ――ただ、不安な方も多いですから、小林製薬には原因究明を急いでもらい、早く情報開示していただきたいと思います。(2024年4月1日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」より) ◎今井伸二郎:東京工科大学名誉教授 著書に「機能性食品学」 免疫疾患などを予防する機能性食品を研究