序盤から乱戦も、大崎2番手サイドハンドが試合を締める!【24年夏・東東京大会】
第106回全国高校野球選手権東東京大会◇2回戦◇都立大崎 12―7 都立目黒◇2024年7月8日◇明治神宮球場 【トーナメント表】夏の東東京大会 8日までの結果
都立目黒は、昨秋のブロック予選では西に勝利したものの、代表決定戦で紅葉川に敗退。この春の東京都大会ブロック予選でも駒込に3対6で敗退。本大会に進出することが出来なかった。都立大崎は昨秋も今春もブロック予選初戦で大敗している。新チームとして公式戦初勝利を目指す戦いとなった。 初回こそ、お互いに様子を見合うような展開で、ともに安打は放ちつつも無得点だったが、2回、大崎は下位打線が細かく安打を重ねて2点を先取する。しかし、その裏に目黒は一死から四球と失策、暴投にバント安打などで1点を返し、1番の今井 海偉内野手(2年)の三塁打などで逆転。さらに失策などもあって、この回5点を奪う。 これで目黒の流れになっていくのかと思われたが、直後の3回、大崎は打者10人の猛攻を仕掛けて4点を奪い返して再逆転。こうした点の取り合いで、ここまでで一時間近くを費やしてしまうという展開になった。 このまま何時間かかるのか――。そう思われたが、都立大崎は二番手として投げた渡辺 恵太投手(3年)が粘りの好投でリードを守り切った。 渡辺投手は右サイドスローだが、元々はオーバーハンドで投げていたという。しかし「ストレートもスピードが出ないので、2年の秋の時に長谷和希コーチに言われて右サイドにしてみたところ、カーブとスライダーも決まりはじめ、しっくりいくようになって、意外とうまくハマっていった」ということだ。 この日の試合の渡辺は、そのサイドハンドがしっかりと功を奏して、まさに打たせて取っていく投球だった。2回二死からという場面での登板。思わぬロングリリーフになってしまったけれども、渡辺投手はケロッとした表情で、「今日は、いいリズムで投げていかれた」と振り返っていた。 綿貫良宏監督も、「先発したエースナンバーの矢作は2年生なのですが、3年生の渡辺が後ろで控えているということで、安心して投げられているのではないかと思う。今日は(先発の矢作は)球道がししっかりしていなかったので、早いタイミングで内野に下げましたが、渡辺がロングリリーフでしたけれどもよく投げてくれました」と、評価していた。 結局、大崎は7回に9番の志田一喜内野手(2年)の三塁打などで5点を追加して、これが大きくモノを言った。7回、8回には1点ずつを失ったものの、そのまま逃げ切り、今季公式戦初勝利をあげたのだった。