日本株"復活劇"牽引役のヒントは「日銀短観」の中にあった
いったん底打ちしたあとも上値が重い日本株相場。2月期・8月期決算企業の四半期決算発表が本格化してくる中で、相場の牽引役となりそうなセクターのヒントが「日銀短観」の中に隠されていた(写真:ブルームバーグ)
「10月第1週(2~6日)はリバウンド」との期待を込めた 前回の本連載(10月1日配信) だったが、意に反し日経平均株価、TOPIX(東証株価指数)ともに3週連続安。しかも、日経平均が8月安値3万1275円を割り込んだことで、チャート的には下放れ足となった。いったんは「崩れた」と見るしかない。 9月から10月へと暦が替わったことに伴う特殊な需給変動が、3週急落の一因だった。それがここから修正され、外部環境にも落ち着きが戻るようなら、今度は時間をかけて下値を固める展開となることも期待できる。日経平均が10月4日に3万1000円割れまで突っ込んだことで、いったんは値頃感も出ているようだ。 5日に東京証券取引所が発表した「投資部門別売買状況」によると、9月の海外投資家による売り越し額は差し引きで2兆円を超した。これに対して、個人投資家が1兆0822億円の買い越しと、敢然と買い向かっていたことが興味深い。 とくに、9月第4週(25~29日)だけに限ると、以前に「賢明な逆張り投資家」として 本連載でも紹介した ことがある「個人・現金」が3185億円の買い越し。「個人・信用取引」(2065億円の買い越し)を上回る規模での買い越しに動いていた。 下落3週目となる10月1週の動向は10月12日に明らかになるが、週前半の動きを見る限り、傾向は一緒ではないだろうか。2024年の新NISA(少額投資非課税制度)スタートを前に、個人投資家の動向が海外からも注目される中、短期の需給悪を要因とした急落場面では断固として買い向かう姿勢を見せたことは心強く、海外投資家にもアピールできよう。
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岩本 秀雄