離島の小さな集落の女性殺害から1週間、50人態勢で捜査続くも有力な手掛かりなし 「すぐ解決すると思ったが…」住民に募る不安 徳之島・伊仙
20日夕方、鹿児島県伊仙町佐弁の保育士の女性(55)が自宅で死亡しているのが見つかった殺人事件は、27日で発生から1週間を迎えた。県警は捜査本部を設置し、50人態勢で聞き込みや現場検証を続けているが、「凶器は見つかっておらず、容疑者浮上には至っていない」。人口約70人の集落で起きた凶行に、住民からは不安の声が聞かれる。 【写真】〈関連〉現場の鑑識作業に入る捜査員ら=22日午前8時25分ごろ、伊仙町佐弁
女性の告別式は25日に営まれた。参列者によると、数え切れないほどの花が手向けられ、遺族や集落の住民、同級生らが冥福を祈ったという。現場近くに住む男性(82)は「本当にかわいそうだ。すぐ解決すると思っていたが、捜査は何も進展していないように感じる」と話した。 消防によると、20日午後6時すぎ「帰宅すると妻が倒れており冷たくなっている。出血して切り傷がみられる」と119番があった。首から出血があったという。駆けつけた隊員がその場で死亡を確認し、110番した。消防は通報者を明らかにしておらず、県警は「被害者の関係者」と発表している。 県警は遺体発見から2日後の22日、司法解剖により死因が「出血性ショック」と判明したことなどから殺人事件と断定。徳之島署に捜査本部を設置した。検問によるドライブレコーダー映像の確認など不審者の洗い出しを進めているが、有力な情報はないという。 現場近くの女性(83)は「事件後からしっかり戸締まりをするようになった。早く犯人を捕まえてほしい」と心配した。
南日本新聞 | 鹿児島