謎の多いビットコインが、いかにして世界の金融市場を揺るがす存在となったか
仮想通貨(暗号資産)の元祖であるビットコインは、2009年のはじめにサトシ・ナカモトと称する謎の研究者によってインターネット上に公開された。もともとはインターネットを通じた送金の仕組みを革新することを想定していたが、いつしかそれは株式のように取り引きされるようになり、2024年には1BTCあたり10万ドル(記事執筆時のレートで約1550万円)という大台にまで到達した。その歴史を振り返ってみる。 2008年8月、インターネットにBitcoin.orgというドメイン名が登録された。そしてその2カ月後、コンピューターセキュリティの専門家ペリー・メッツガー氏が運営するThe Cryptography and Cryptography Policy(暗号化と暗号化ポリシー)メーリングリストに「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System(ビットコイン:ピア・ツー・ピアの電子キャッシュシステム)」という論文を公開した。 【写真で見る】ハンガリー・ブダペストに建てられたサトシ・ナカモトの胸像
さらに、年が明けて2009年の1月3日(日本時間では1月4日)には、実際にソフトウェアとして構築したビットコインのシステムをインターネット上に公開、クライアントソフトウェアは同年1月9日にリリースされた。 ■仮想通貨? 暗号資産? 暗号通貨? 日本では公式には暗号資産と呼ばれる仮想通貨だが、英語表記では「Cryptocurrency」と記され、「暗号通貨」と訳するのがもっとも正確な表現だ。 暗号資産は英語では「Crypto Assets」となり、言葉の意味としては暗号通貨だけでなくNFTや、株式・債券のデジタル版であるセキュリティトークン、特定のサービスやプラットフォームで利用されるユーティリティトークンなども含まれる。
ちなみに日本の金融庁は、2018年のG20サミットでCrypto Assetsという言葉が用いられたことを根拠として、またビットコインなどが実質的に通貨よりは、株式などのように取引される資産としての意味合いが強いことを考慮して、「暗号資産」と呼ぶことを公式に定めている。 ■闇に消えたサトシ・ナカモト 2009年1月3日にビットコインのシステムをリリースしたナカモトは、このときビットコイン初のブロック生成を行い、その報酬として50BTCを得たとされている。