綾瀬はるか「むき卵のようになった感じ」 主演映画で「無」に
俳優の綾瀬はるかが9日、TOHOシネマズ日比谷で行われた主演映画『ルート29』公開記念舞台あいさつに登壇し、20年を超える俳優人生のなかで新たな境地にたどり着いたことを告白していた。イベントには大沢一菜、市川実日子、森井勇佑監督も登壇した。 【画像】綾瀬はるか、盟友・市川実日子と登壇! 本作は、『こちらあみ子』(2022)で第27回新藤兼人金賞をはじめ、数多くの賞を受賞した森井監督が、詩人・中尾太一の「ルート29、解放」からインスピレーションを受け、描いたロードムービー。他者とコミュニケーションを取ることをしない主人公のトンボ(綾瀬)が、ひょんなことから風変わりな女の子・ハル(大沢)と出会い、国道29号線を旅しながら変化していく。
俳優として20年以上にわたるキャリアを持つ綾瀬。「これまでは立ち位置まで決まっていて積み上げていくという作業が多かった」と役者人生を振り返ると「森井監督が、これまで20何年の経験をそぎ落とす感じの演出で、むき卵になったみたい。無にならなければいけないんだと思いました。ただただそこにいるという、セリフも考えない、宇宙から降りてきたらしゃべるみたいな……」と新たな挑戦の場だったことを明かし「すべてを委ねる境地でした」とも語っていた。
綾瀬は撮影中、プライベートでも親交の深い市川に芝居や芸能界のことなどを相談し、出来上がった作品を観たときの市川の感想が忘れられなかったという。
市川は「何か言っていたっけ?」ととぼけると、綾瀬は市川の耳元でその言葉をつぶやく。市川は「以前から役を纏っていない、素材そのもののような役を観てみたいと思っていたんです。脚本を読んでそんな(綾瀬が)観られるかなと思って楽しみでした。観た後『(綾瀬は)心がきれいな人なんだなと良く分かる映画だね』と言ったみたいです。映画って役だけれど、それを演じている人の人柄も伝わってくるじゃないですか」と恥ずかしそうに笑っていた。(磯部正和)