朝ドラ『ばけばけ』ヒロインに抜擢・髙石あかりってどんな人? 「自然体の演技が素晴らしい」と制作統括が絶賛
2025年度後期の連続テレビ小説『ばけばけ』(NHK総合ほか)のヒロインに抜擢された髙石あかり。『舞いあがれ!』『あんぱん』に次いで3度目の朝ドラオーディションへの挑戦だったという。 【写真】発表会見で涙を流す髙石あかり 近年は橋本環奈や今田美桜ら知名度の高いヒロインが続いているため、発表のニュースにSNSでは「この初々しさこそ朝ドラヒロイン!」「まだ色のついていない逸材を発掘するのも朝ドラの醍醐味」という声が相次いでいた。そんな髙石あかりはどんな人物なのか? 髙石あかりは宮崎県出身、2002年12月19日生まれの21歳。2019年より俳優活動を本格化させ、女子高生殺し屋コンビを主人公にした映画『ベイビーわるきゅーれ』シリーズで主人公のちさとを演じ、難易度の高いアクションと「女子高生のゆるい日常」を表現したシーンの演じ分けで注目を浴びる。 2023年に放送された夜ドラ『わたしの一番最悪なともだち』(NHK総合ほか)では、就活中の大学生・ほたる(蒔田彩珠)の天敵であり憧れの的の鍵谷美晴を演じた。 ■「この人がトキだな」と全員一致で 前述の記者会見の後、制作統括の橋爪國臣さんが囲み取材に応じ、『ばけばけ』のヒロインの座を射止めた髙石あかりの魅力と、オーディションの詳細について語った。 橋爪さんは髙石の起用理由として、「『この人がトキだな』と思いました」と語り、こう続ける。「2892人に応募いただいたなかから、最終選考に残ったのは9人。知名度の有無ではなく、純粋に素晴らしいと思う方を選びました。そのなかで、いちばん『長く見たい』と思わせるのが髙石さんでした。審査にあたった制作陣全員一致で決まりました」と振りかえった。 「朝ドラヒロインオーディション」は、どんなステップを踏んで進んでいくのだろうか。橋爪さんは、「今年の6月から募集を始め、オーディションは9月でした。最初の書類選考でエッセイを書いてもらい、二次選考ではお芝居の動画を撮って送ってもらいました。三次選考ではグループに別れてワークショップのようなかたちでお芝居を見せてもらい、最終選考はセットを立てたなかで相手役の俳優さんとのお芝居をしてもらいました」と明かした。 ◾️ 演技ではなく「生きている」と思わせる人 さらに、「最終選考に残った9人は皆さん芝居力が高かったのですが、そのなかでも髙石さんは自然体の演技が素晴らしかった。たとえばトキが泣いているとして、『いかにも泣いている』というお芝居ではなく『生きているな』と思わせる人を、という基準で選びました。髙石さんはお芝居をしているというよりは、本当にその世界に住んいでるように思えたんです」と髙石の演技を絶賛した。 「素」の髙石はどんな人なのだろうか。橋爪さんは、「オーディション参加者の皆さんとスタッフとで20分ほど雑談する機会を設けたのですが、みんなとの『和』をとても大切にする方ですね。髙石さんは、ヒロイン発表記者会見の壇上でも涙を見せていましたが、とても感情表現が豊かで、他人の気持ちにも自分の気持ちにも素直な方だなと思います」と語った。 ◾️ 記者たちに配られた手書きのポストカード 記者会見当日、参加した記者たちに髙石の発案で手書きのポストカードが配られた。髙石あかりはきっと、気遣いの人なのだろう。会見の壇上で彼女は、「人と人との関わりを大切にしていきたい」「私はまだ何者でもない人間なので、『ばけばけ』の松野トキというひとりの女性を演じることで学び、人と出会い、『化けて』ていく姿を皆さんにお届できたら」と語っていた。 『ばけばけ』は小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)の妻・節子をモデルとしたフィクション。松江の没落士族の娘に生まれたヒロイン・松野トキが、日本の怪談に興味を持つ風変わりな異国人・ハーンと巡りあい、彼女の人生がかけがえのないものに「化けて」いく物語。放送は2025年秋から。 取材・文/佐野華英