“DV夫”を自ら演じた『ふたりで終わらせる』監督、原作ファンや支援団体に協力依頼「本当の意味で理解しなければ」
2022年アメリカで最も売れた恋愛小説を初映画化、“愛する人からの暴力”という問題を背景に逆境や困難に直面する1人の女性の強さと再生をブレイク・ライヴリー主演で描く映画『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』。 【画像】原作者コリーン・フーヴァーの提案でライル役を自ら演じた 本作で監督を務めながら、主人公リリーに手を上げてしまう夫・ライル役も演じたジャスティン・バルドーニがキャラクターへの思いを語る特別映像が解禁となった。 本作は、“愛する人からの暴力”というセンシティブな問題を描き、世界中で多くの人々の心を掴んできた小説「イット・エンズ・ウィズ・アス ふたりで終わらせる」(二見書房刊)を、ブレイク・ライヴリーを主演に迎えて実写化。 原作小説に感銘を受け、原作者のコリーン・フーヴァーへ直々に依頼して映画化を実現した監督のジャスティン・バルドーニは、コリーン・フーヴァーの提案でライル役を自ら演じることを決意したという。 ジャスティン・バルドーニは当時をふり返って「映画化の契約を交わしているときに、コリーンから『あなたがライルを演じることを考えたことはない?あなたが演じるライルがすごく想像できる』という短いメールが届きました。考えたことはあったけど、自分には無理だと諦めていたんです。でもコリーンが僕を信じてくれたおかげで、僕も自分を信じる許可をもらえたような気がしました」と語る。 そうして監督兼ライル役として本作に参加することとなったジャスティン・バルドーニは、ライルというキャラクターへの理解を深めるために、「原作小説に救われた」と語る原作ファンや、家庭内暴力の被害者や加害者の社会復帰を支援する団体などに協力を仰ぎ、加害者心理を学んだと明かす。 「僕には知らないことばかりだと感じたので、支援団体『NO MORE』をはじめ、たくさんの人の協力を得ました。暴力は決して許されないし、正当化もできないですが、そういう行動をとる人を安易に批判するだけでは意味がない」と言い、「ライルは善良で、賢く、優しい人物で、リリーと心から愛し合っていた。そんな彼がなぜ、そしてどのようにして恋人に暴力を振るうに至ったのかを本当の意味で理解しなければ、彼を演じることは出来ないと思ったんです」と語っている。 解禁された特別映像では、ジャスティン・バルドーニ監督と原作者のコリーン・フーヴァーがライルというキャラクターへの思いを語っている。 偶然の出会いから情熱的な恋に落ちたリリーとライルの幸せな日々は、ライルの暴力によって壊れてしまう。優しくてセクシーで、素直な愛情表現が魅力的なライルのことを心から愛しているからこそ、壊れてしまった関係性がリリーを苦しめる。 「私も愛してる、それが問題なの」と話すリリーの切ない表情から、2人の複雑な関係が見て取れる。“始めるために、終わらせる――”。前を向き、自分の信じる道を進みたいと願う全ての人に向けられた物語といえそうだ。 『ふたりで終わらせる/IT ENDS WITH US』は11月22日(金)より全国にて公開。
シネマカフェ シネマカフェ編集部