パスタ需要が増加 年間供給量30万tも視野に 国産で新たなトレンド
ドライパスタの需要が増えている。2023年の国内供給量は前年を割ったが、24年は年初から国産品の生産量が前年超え。前年減少した輸入品も春先からは二ケタの伸びが続いている。夏場の米不足も需要増に拍車をかけた。1~9月の国内供給量は22万8000t(前年比6.8%増)。年間供給量30万tの大台も見えてきた。 日本パスタ協会によると、23年の国内パスタ供給量は28万6000t。コロナ特需があった20年は32万7600tに達した。20年は輸入量が2割以上増えた年でもあったが、国産パスタは現在まで堅調さを維持。16年と23年を比較すると国産パスタの生産量は4.8%伸長した。24年も国産は前年を上回る生産を続け、1~9月は前年比4.6%増だった。 コロナ禍以降、家庭内でのパスタ喫食率が増えた。国産パスタは品質の高さや、国産ならではの日本人のライフスタイルに合った特徴により支持を広げている。特に早ゆでパスタは調理に時短・簡便を求める人に適した商品だ。おいしさと調理の早さを両立させたことが評価され、右肩上がりの成長を続けている。 早ゆでパスタの次のフェーズは、アジアや欧米での展開だ。日清製粉ウェルナでは早ゆでパスタの海外展開に注力。グループでは日本、トルコ、米国の3拠点で早ゆでスパゲティの生産が可能だ。アジアではベトナムをターゲットに家庭用製品の販売を開始しており、早ゆでに関しても事前の調査で現地人のニーズがあることも分かった。欧州最大規模の食品総合展「SIAL Paris」でも早ゆでを含む商品を紹介するなど、ワークを進めている。 成熟カテゴリーと言われるパスタ市場で新たな旋風を巻き起こしているのが、もちっとした食感の麺。これまでの「パスタはアルデンテ」という既成概念を破ったのがニップンの「オーマイプレミアム もちっとおいしいスパゲッティ」だ。プレミックスなど他のカテゴリーでも「もちもち」食感はトレンド。若年層に対する調査では「もちっとした食感でむちっと噛み切れるパスタ」を好む人が多いことが分かった。発売当初5割だった導入店舗率は、秋には7割まで増えたという。