お日さまたっぷり浴びて色づき良し、上品な味わい 兵庫県西部でユズの出荷本格化
朝晩ぐっと冷え込むようになってきた11月、中・西播磨地域でユズの出荷が本格化し、相生市や神河町の集荷場などでは果実の選別や搾汁作業が進められている。加工品にするため食品会社に納められるほか、直売所や地元の物産店に並び、さわやかな香りを漂わせている。 【写真】収穫した実を丁寧に洗うゆず栽培組合のメンバー 相生市矢野町小河地域では、「ゆず栽培組合」のメンバー10人ほどが今月4日から月末まで計4回、早朝に集まり収穫した実を洗って果汁を搾る。生産農家50軒ほどが出荷したユズは、ゆずみそやマーマレード、洋菓子などの材料となる。 今年5月に大粒のヒョウが降ったため花が落ち、長引いた残暑など天候不順の影響で、例年3~6トンの収穫量が今年は1トン弱に。しかし味や風味などの作柄は例年通りといい、関係者は胸をなでおろしている。 神河町根宇野では「根宇野柚子生産組合」の14軒が、山の斜面など計4・5ヘクタールで育てる。今年は50~60トンの収穫を見込み、根宇野公民館前の直売所で販売を始めた2日以降、町内外から待ちわびた客が足を運んでいる。 同組合の藤原勝彦組合長(70)の畑では、枝に重しを付けて木が横に広がるように育て、太陽をたっぷり浴びた色づきの良い果実を作っている。「山あいの寒暖差や清流が生み出す上品な味わいを楽しんで」と呼びかける。 直売所は12月1日までの午前9時~午後4時。荒天を除き無休。道の駅「銀の馬車道 神河」や同町観光交流センターなどでも販売している。(豊田修、喜田美咲)