ビルバオFWニコ・ウィリアムズ、アトレティコのスタジアムで人種差別を受ける…「肌の色を侮辱するなんて普通じゃない」
27日のラ・リーガ第33節、シビタス・メトロポリターノでのアトレティコ・マドリー対アスレティック・ビルバオ(3-1)で、アスレティックのスペイン代表FWニコ・ウィリアムズが人種差別的な行為を受けている。 ニコはこの試合の30分過ぎ、コーナーキックを蹴ろうとした際にアトレティコのウルトラス、フレンテ・アトレティコが陣取る南スタンドの一部人間から人種差別的な行為を受けた。そこで試合は中断して数分後に再開。マルティネス・ムヌエラ主審の報告書には「ウー(UH)、ウー」と猿の泣き真似が聞こえていたことが報告されている。 ニコは前半終了間際に一時同点とするゴールを決めたが、その際にはフレンテが陣取るスタンドに向けて、自身の肌を指差すパフォーマンスを行っている。試合後、『DAZN』とのインタビューに応じたニコは、そうしたパフォーマンスして対抗せざるを得ない悪しき習慣が、いまだスペインに根付いていることを嘆いた。 「コーナーキックを蹴ろうとして猿の鳴き真似を耳にした。少人数だったけどね。馬鹿な人間はどこにでもいる。少しずつ変わっていくことを願っているよ」 「僕は怒りでもってああしたゴールパフォーマンスを見せた。肌の色を侮辱するなんて普通じゃない」 またニコの兄であるFWイニャキ・ウィリアムズも『DAZN』に対してコメント。フレンテのメンバーはその後、あろうことがニコに対してブーイングを浴びせていたという。 「弟に何かあったのは分かっていたよ。猿の鳴き真似をされたということだった。そんなのフットボールにも人生にも何も関係ないことだ。審判はしっかりと立ち振る舞ってくれた。でもその後、弟がボールを持つ度にブーイングがあったのは、僕には理解できない。指笛を吹く相手は被害者じゃなく、侮辱をした人間であるはずだ」 「こういったメッセージを言わないといけないことが悲しい。このスポーツは子供たちのためにある。僕たちはフットボールをプレーしながら成長を果たしたんだからね。フットボールの本質はもっとポジティブなものであり、こういったことはもう終わりにしないといけないんだ」 そして試合後会見に出席したコケも、報道陣の質問に返答していく前に、アトレティコ主将として語るべきことを語った。 「まず最初に、ニコに激励のメッセージを送りたい。僕たちの社会とフットボールに、そんなことをする人間は不必要だ。アトレティコのすべての人たちがニコに寄り添い、フットボールのピッチでこういった出来事が起こることに反対している。2024年のスタジアムで、こんなことが起きてはいけないんだよ」 なお今回の人種差別的な行為に関しても、スペインプロリーグ機構ラ・リーガはスペインサッカー連盟や反暴力委員会に対して訴えを起こす見込みとなっている。