【ふくしま創生臨時支局・鏡石町】住んで納得 鏡石の魅力 移住・就農モニター鈴木裕登さん 12月、都内で発信
福島県鏡石町と包括連携協定を結んでいる八芳園(本社・東京都)は、町と連携した「移住・就農モニター」に取り組んでいる。同社関連会社社員の鈴木裕登さん(27)=八芳園交流コンテンツプロデュース=は6月に町内に移住し、農業体験をしながら町民と交流を深めてきた。12月には都内のカフェや商業施設で、首都圏向けに魅力を発信する。 鈴木さんは埼玉県川口市出身。父が会津若松市出身で年に数回本県を訪れており、親しみがあったという。週2回の農業体験ではキュウリの収穫や枯れたつるの回収、リンゴの葉取り、ナシの実の傷を防ぐ袋かけなどを学んだ。訪ねた農家の人々はそれぞれの作業の意味や必要性を丁寧に教えてくれた。「いつも驚きがあり、町民の温かさも感じた」と振り返る。体験内容は交流サイト(SNS)や紙面にまとめて発信している。 モニター事業は12月で終わるが、引き続き県内に残って取り組みを続けていくつもりだ。活動の集大成として、12月4日から8日まで、東京・原宿のカフェ「dotcom space Tokyo」で鏡石町の農産物を使った特別メニューを提供する。メニューは八芳園のシェフと鈴木さんらが調整している。店内では農業体験の様子を動画などで紹介する。同月9、10の両日は「KITTE丸の内」で町産農産物や加工品の販売、移住就農相談などを予定している。ミニ農業体験ブースも企画している。
「実際に住んでみて、鏡石についてもっと知ってほしいという思いが強くなった」という。今回の経験を生かし「質の高い農産物や町民の温かい人柄といった地域の魅力を広めていきたい」と意気込んでいる。