「退職金を増やしたい!」「貯金だけじゃもったいない」→焦って投資する60代の末路
● コストのほうが高くなる 「コスト負け」状態 また、大手金融機関の看板、立派なビル、きれいなオフィスには安心感があります。長年付き合いのある銀行などであれば、なおさらです。大きな金額の取引となると、課長や支店長まで出てきて丁重に案内されますから、ますます「これで安心だ」と思えるかもしれません。 ところがそれは大きな間違いです。 「安定運用したい」という方に対しての、「投資信託で長期分散投資をしていきましょう」「それなら保険がいいのではないでしょうか」とすぐに商品へつなげるような提案は、典型的な間違いのもとです。 投資信託で長期分散投資という考え方は間違いではありません(もちろん年齢にもよりますが)。しかし、実際に金融機関で購入した投資信託を見てみると、運用コストが非常に高い商品ばかりを購入していることが多々あります。わずかな運用益のために、不必要に高い運用コストを払い続けていたり、下手をするとコストのほうが高くなる「コスト負け」状態になっていることすらあります。 金融機関ですすめられる投資信託がコスト高なのは、金融機関とネット証券の投資信託販売ランキング(もしくは純資産ランキング)を比較してみれば一目瞭然です。ネットで売れている投資信託のほうが、ずっとコストが低いことがわかります。 また保険商品といっても実際には幅広く、さまざまなタイプがあります。「安定運用なら保険で」という説明の方向性は、大筋では合っていても、重要なのは購入する商品の内容です。 提示された保険が株式を中心に運用する変額保険であれば「安定」運用とは異なってきます。為替リスクのある外貨建て保険だとしたら、為替変動のリスクは許容する必要があります。外貨建て商品で安定運用なら債券投資など他の選択肢も考えられますし、保障を主目的とした金融商品である保険を使って運用することが非効率である可能性があります。