実はeSIMに変更する手間はほとんどかからない、 iPhone「eSIMを使う人」だけが知っている便利機能
eSIMクイック転送は、Apple IDなどを設定する初期設定時に画面が出るため、バックアップを復元する流れでそのままeSIMまで設定できる。手順に従っていくだけでいいので、考えようによってはSIMカードを抜き差しするより簡単。また、設定済みのiPhone同士でeSIMを移したいときには、次のようにしてeSIMクイック転送を呼び出す必要がある。 まず、eSIMを移したい側で「設定」アプリを開き、「モバイル通信」で「eSIMを追加」を選択する。次に、「近くのiPhoneから転送」を選ぶ。続けて、近くにあるeSIMが入っているiPhoneにeSIMを転送する画面が出たことを確認。移す側の端末に検証コードが表示されるので、これを旧端末側に入力し、転送をかける。
IDやパスワードなどを入力し、場合によっては本人確認も必要になる通信事業者のサイトを経由するよりも、手順はシンプルだ。ただし、MVNOなど、一部の通信事業者はeSIMクイック転送に非対応。先に挙げたようにプラットフォームをまたがることもできない点には、注意が必要だ。 ■3つのeSIMを切り替えながら使う デュアルSIMと同じ文脈で語られることが多いiPhoneのeSIMだが、格納しておけるキャリアは2つだけにとどまらない。機種にもよるが、8つのeSIM情報を書き込んでおくことが可能だ。ただし、そのうち有効にできるのは2つまで。残りのeSIMは、通信に使うことができない。別の場所に抜いたSIMカードをしまっておくことをイメージすれば、理解しやすいだろう。
とはいえ、SIMカードより切り替えは簡単。インストール済みのeSIMは「設定」アプリの「モバイル通信」にズラッと並ぶため、有効にしたいものを選択し、「この回線をオンにする」のボタンを押すだけでいい。すでに2つのeSIMが有効になっている場合、どちらか一方をオフにする画面が表示される。 そんなに回線は必要ない……と思うかもしれないが、複数回線を入れておくメリットは多い。例えば日本で、3キャリアぶんのeSIMを入れておけば、よほどのことがない限り通信を続けられる。普段はドコモとソフトバンクを使いつつ、万が一、そのどちらもが圏外だったり通信速度が出づらかったりしたときには、KDDIに切り替えるといったことが可能だ。