ドル・円、米ISMデータ受け152円に向かう動き-介入リスク高まる
(ブルームバーグ): 円は対ドルで1ドル=152円に向けて下落している。日本の通貨当局による外国為替市場への介入リスクが高まるとトレーダーがみる節目の水準だ。米供給管理協会(ISM)が発表した3月の製造業総合景況指数が強い内容となり、ドルを押し上げた。
同指数が予想外の活動拡大を示したのを受け、円が売られた。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長率いる米金融当局が利下げに踏み切るまでに時間をかけるとの観測が強まった。円は先週、34年ぶりの安値を付けていた。
鈴木俊一財務相が為替相場について、高い緊張感を持って市場の動きを見ているとし、行き過ぎた動きには適切な措置を講じる用意を表明したのを受け、トレーダーの間には介入警戒感が高まっている。
ジェフリーズの外国為替グローバル責任者、ブラッド・ベクテル氏は日本の通貨当局に関し、「152円の水準を巡り神経質になっていると見受けられる」とした上で、「ゆっくりと152円台になるのであれば当局は反応しないと考えられるが、急速に152円を突破し、154円ないし155円に向かうなら反応があるかもしれない」と語った。
日本の通貨当局者は、円安進行に歯止めをかけるため必要であれば外為市場介入の用意があると表明している。円は年初来でドルに対し7%近く下落しており、過去1年余りにわたってG10通貨で最悪のパフォーマンスとなっている。
日本銀行が先月、マイナス金利政策の解除などを決めた後も、投資家は日米金利差に引き続き注目している。
原題:Yen Weakens on US Data, Raising Japan FX Intervention Risk (1)(抜粋)
--取材協力:George Lei.
(c)2024 Bloomberg L.P.
Anya Andrianova