起業あるある「周囲の反対」どう切り抜ける? (横須賀輝尚 経営コンサルタント)
■家族の理解を得る行為は、あなたの本気度が試されている。
加えていえば、家族の反対がある場合には2つの原因が考えられます。ひとつはコミュニケーション不足、もうひとつは普段の生活態度です。 私も23歳で独立起業すると決めたとき、父親と真剣に話し合いました。どれだけ真剣に独立起業を考えているのか、どういう算段で仕事を取っていこうと考えているのか。20代での成功事例はあるのか。行政書士がどんな仕事なのか。一晩中、思えば父親とそれだけ深い話をしたのは初めてだったかもしれません。 最終的に「そこまでいうなら真剣にやりなさい」と応援してくれることになりました。このことで父をはじめ両親や家族とも向き合うようになり、感謝していますが、多くの場合こうした深い対話をせずに「わかってくれない」と本人がすねてしまうことも多いようです。 また、これは深読みかもしれませんが、独立開業することに恐れがあり、反対してもらうことで安心しているということもあるかもしれません。 そして生活態度です。普段、あなたの家族はあなたが家庭にいるときの生活態度と給料の額くらいでしかあなたを判断していません。ですから仕事は真面目にやっていても、普段が不精者ではあなたの言葉も説得力に欠けるというものです。生活態度に思い当たる節があるとすれば、そこから改めていくのも最初のステップとしては最適かもしれません。 ところで、独立開業の際は家族や親族の助けを借りたくない、という方も多いようです。しかし、できれば家族をはじめあなたに近い人にはぜひ頼ってください。もしあなたの家族や親友が独立開業するので助けてほしい、といわれたら喜んで手をさしのべるはずです。 逆にあなたに相談なしに事を進められたらどうでしょうか。きっと寂しい気持ちになるはずです。私の父も今でも時々仕事の案件をもってきてくれます(本当に数年に一度くらいですが)。それを「余計なことをするな」というのか「ありがとう」というのか。私は素直に感謝して受け取ればよいと考えています。 あなたも少しずつ行動を起こし、ぜひ独立実現に向けて頑張ってください。 横須賀輝尚 パワーコンテンツジャパン株式会社 代表取締役/特定行政書士
【プロフィール】
1979年、埼玉県行田市生まれ。専修大学法学部在学中に行政書士資格に合格。2003年、23歳で行政書士事務所を開設・独立。2007年、士業向けの経営スクール『経営天才塾』(現:LEGAL BACKS)をスタートさせ創設以来全国のべ2,000人以上が参加。著書に『プロが教える潰れる会社のシグナル』(さくら舎)、『会社を救うプロ士業 会社を潰すダメ士業』(さくら舎)、『資格起業家になる! 成功する「超高収益ビジネスモデル」のつくり方』(日本実業出版社)、『お母さん、明日からぼくの会社はなくなります』(角川フォレスタ)、他多数。