テスト自動採点 早い答案返却、教員の負担軽減 会津若松市がアプリ本格導入へ
会津若松市教委は新年度、市内全ての公立小学校で各教科単元ごとのテストを自動採点、一斉返却できるアプリを本格導入する方向で検討に入った。阿部俊子文部科学相が教員に過度な負担が生じにくい条件整備の検討を中教審に求めるなど教員の負担軽減が課題となる中、既に市内2校で実証利用に入っている。市教委は「教員の負担軽減につながるのはもちろん、授業の振り返りがすぐにできて効果的」として導入を拡大したい考えだ。 アプリはベネッセコーポレーションの「テストパーク」で、実証は福島県内初の取り組みとして、行仁小と城西小で実施中だ。教員が児童のキーボード付きタブレット端末などに一斉に問題を送信、児童が端末上で問題を解き、教員にテストを提出すると、機械が自動で採点する。テスト結果は教科ごとに一覧で表示され、児童の受験状況や問題ごとの正解率なども確認できる。 自動採点のため、答案用紙が児童に返却されるのも早くなり、児童は間違いや解説をいち早く確認して効率的な復習につなげることができる。採点や成績処理は教育現場で負担の大きな業務とされているだけに、アプリは課題解決にもつながると期待されている。 実証利用されているアプリには、教科書の主要単元ごとの確認テストが収録されており、小学4~6年の算数や理科で実施している。行仁小での実証では担任教諭からの出題、児童の解答、自動採点が短時間で行われ、児童は返却された問題用紙をその場で確認できた。担任教諭が正解率や間違いが多かった問題を教室の大型モニターで解説すると、児童はすぐに復習に取り組んだ。 児童からは「タブレット端末でグラフや図を拡大して問題を解けるのが便利」「クラスのみんなの正答率や間違えた問題が分かるので、復習しやすい」などの意見が上がった。担任教諭は「採点が早いので助かる。問題ごとの正解率も出せるので、子どもたちの課題が分かりやすい」と話した。 ベネッセによると、アプリは現在、各地の教育委員会や学校と連携しながら実証利用を進めている。使いやすさや難易度など実証利用で上がった意見を反映し、新年度に本格提供する見通しだ。新年度以降は中学生の問題や、国語や社会のテストなどを順次追加していく予定という。 会津若松市は、新年度に小学校、2026年度に中学校での導入を検討している。ベネッセの担当者は「先生のより良い指導と、子どもたちの個別最適な学びの実現を支援していきたい」と話した。
福島民友新聞