9年前に養母から15億円を相続した芸人、5億円納税も…才覚発揮で増やした驚きの資産額
芸能歴27年の前田けゑ
お笑いタレントには下積み時代の貧乏エピソードがつきものだが、芸能活動歴27年の前田けゑ(42)は「金持ち」を公表している。2015年、祖母に紹介された資産家の女性から15億円もの大金を相続し、突然、億万長者となったことで世間を騒がせた。ENCOUNTは前田の「今」を追った。(取材・文=白川ちひろ) 【写真】大金持ちになる前、バリバリの不良だった15億円相続芸人 前田に指定された東京・歌舞伎町にある雰囲気の良いダイニングバー。先に着いていた彼はすぐを名刺を出し、こう言った。 「株式会社K-Network Familyの代表をしております前田けゑと申します。本日はお越しいただき、ありがとうございます」 聞くと、このバーが入っているビルは彼が所有していた。 「(バーは)昨年、オープンしました。歌舞伎町なので競争も激しいですが、何とかやっていけています」 同店の経営もしているようだ。文字通りの実業家。早速、15億円を相続した経緯を聞いた。 「20歳の時に大阪から上京し、ミュージシャンをしていたんです。だけど、なかなかうまくいきませんでした。そんな生活を続けていた25歳の時、祖母から『私の友達と名古屋でご飯を食べない』ってお誘いがあったんです。おばあちゃん子だった僕は、喜んで何度か祖母とその友人の女性と3人でお食事をしました。普通に話していましたが、会って3回目くらいかな。その女性に『何もしなくていいから、うちの跡取りになって。私の養子になってほしい』とお願いをされたんです。『なんだか面白そうだな』と思い、その足で区役所に行き、正式な手続きを経て養子となりました」 前田は縁組後、月1回は養母に会いに行っていたという。それが転機になった。 「養母には『ミュージシャンは不安定な仕事で心配だからやめてほしい』と言われ、辞めることにしたんです。『次は何をしようかな』と考えていた時、『カスタネットの芸を生かしてネタをやってみよう』と思いつきました。早速、それをYouTubeにあげた動画を養母に見せたところ、『これはいいね』と絶賛してくれました。それが、ミュージシャンからカスタネット芸人に転身するきっかけでした」 養母が亡くなると、前田は15億円もの遺産を相続。その後が大変だったという。 「相続税の支払いですね。総資産は15億円でしたが、相続税価格というものがありまして、相続税価格約11億の半額、約5億を10か月以内に現金で国に納めないといけなかったんです。相続したのはビルなどの資産ですから、現金なんて手元にない。住んでいる皆さんに引越し代と敷金礼金相当を支払って出て行ってもらい、不動産を売って現金にしようとしたのですが、中には『引っ越し期間働けなかった日当をよこせ』と言ってくる方や、立ち退きに応じない方もいて、本当に大変でした。結局、費用はこちら持ちで仲介の方にお願いして、ひとつずつ段階を踏んでその方々には立ち退いていただきました。」 納税後、大金を手にした前田に待ち受けていたのは、周りからの「手のひら返し」だった。 「僕が大金を相続してテレビに出たことで、一番態度が変えたのはカスタネット芸のネタ見せで相手にもしてくれなかった作家さんでした。『キミには才能があると思っていたよ~』って感じで、イベントの司会に抜てきしてくれたりして(笑)。あとは、渋谷で飲食店経営をしたところ、信じていた従業員に裏切られました。どうしても帳簿の計算が合わなくて、責任者を追及したら、売上金を使い込んでいたことが分かりました。それがあって、その店舗は閉じましたが、オーナーとしての自分の見る目のなさを感じて落ち込みました。その後は投資詐欺にも遭い、多額のお金を失いました」 そうなると、相続した遺産は使い切ってしまったのだろうか。 「それが違うんです。ありがたいことに事業をコツコツ続けたので、資産を約20億円に増やすことができました。不動産業では現在6棟目になるマンションを建設中です。あとはプロデューサーとして、『プロ彼女の条件 芸能人の彼女になりたい女たち』というスマホで見られるショートドラマを作り、『さよならモノトーン』という映画も配信しています」