「ぼっちとばかにされ」猟銃やナイフで住民2人と警察官2人が犠牲に 社会から孤立…自暴自棄型の“ローンオフェンダー” 被告はなぜ凶行?専門家が分析 長野・中野市4人殺害事件1年
2022年の安倍元首相銃撃事件は「テロリズム型」。 2008年に17人が無差別に襲われ死傷した秋葉原通り魔事件、2019年に36人が死亡した京都アニメーション放火事件は「自暴自棄型」。
■「社会に恨みをため込み…」
青木被告の犯行も「自暴自棄型」に分類されるとしています。 日本大学危機管理学部・福田充教授: 「自分自身はどうなってもいい。社会に恨みをどんどんため込んでしまう自分が悪いのではなく社会、友達、家族が悪いそれに対してどうにかして復讐してやろうという気持ちの中で、過激化して自暴自棄になり、そして恨みを持ち起こした犯行だという風に解釈することが出来る」
■大学時代にいじめに…
なぜ、青木被告は社会的に孤立し「ぼっち」という言葉に敏感になったのでしょうか? 中学校時代は野球部に所属していた被告。友人もいてチームメートも「普通の中学生だった」と話しています。 青木被告の知人: 「中心になるような人ではなかったけど普通のどこにでもいる中学生」 その後、県内の高校を卒業し、東京の大学に進学します。しかし、中退して地元に戻ってきました。
ブドウなどの農作物を育てていましたが、近所付き合いはほとんどなかったということです。 捜査関係者によりますと、被告は「大学時代にいじめに遭い人間関係が苦手になった」と話していたということです。
被告の母親も「大学時代のいじめの経験から『ぼっち』という言葉に過剰に反応するところがあった」と警察に説明したということです。 福田教授は、「孤立」を気にする人がローンオフェンダーになる直接的な因果関係はないとした上で次のように話します。
■孤立する人が生まれない社会環境を
日本大学危機管理学部・福田充教授: 「ローンオフェンダーというもの自体が一人で行動して、一人で犯行を実行するという傾向があるので結果的に独りぼっちでありそして孤立している人がローンオフェンダーになりやすいという傾向はあると思う」
ローンオフェンダーによる凶行を防ぐために福田教授は孤立する人が生まれない社会環境を整えることが重要だと話します。 日本大学危機管理学部・福田充教授: 「コミュニティがいま希薄化していることが問題になっているがそれは都市でも地方でも起こっているが、社会から、職場とか地域から孤立する人を作らないということが一番大事なテーマになると思う」
長野放送