東邦銀行、純利益38%増 中間決算、日銀政策で利回り改善
東邦銀行が8日発表した2024年9月中間連結決算は、マイナス金利の解除や追加利上げなど日銀の金融政策変更に伴う利回りの改善が大きく影響し、純利益は45億7400万円(前年同期比38.2%増)を計上した。売上高に当たる経常収益は327億3800万円(同12.2%増)、経常利益は68億3000万円(同34.4%増)で、3年ぶりに増収増益となった。 事業性貸出や有価証券残高を積み上げ、貸出金利息や預け金利息などが増加。新型コロナウイルス禍から顧客の業況が回復しつつあり、与信関係費用が大幅に抑えられたことで増益につながった。 本業の利益を示す銀行単体のコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は、64億1200万円(同21.9%増)。1月の新システム移行の減価償却費などで経費が膨らんだが、資金利益の増加分が打ち消した。 単体の総預金は前年同期比140億円減の6兆1847億円と微減。賃金の引き上げが反映されたことで個人預金は増加した一方、企業は賃上げや原材料価格の高騰で預金を取り崩している。新NISA(ニーサ)制度も始まったことで貯蓄から投資への流れが活発化し、預かり資産は前年同期比279億円増の5092億円だった。有価証券は9832億円(前年同期比28.6%増)を計上。利息配当金を安定的に確保するため、国債などを中心に残高を積み上げた。連結の自己資本比率は9.93%で前年同期比0.50ポイント増加した。 福島市の本店で記者会見した佐藤稔頭取は、17年ぶりの金利のある状況について「地域の金融機関として預金を生かす選択肢が広がった」と述べた。
福島民友新聞社