「峠の釜めし」の売り子は、なぜ最敬礼でお出迎え、お見送りをしていたのか?
コロナ禍以降、バリエーションが増えた荻野屋の釜めし。「峠の親子めし」(1500円)は、令和3(2021)年9月から販売が始まりました。荻野屋横川店をはじめ、上信越道・横川SA(上り線)や高崎駅の売店などでも、お目にかかることができます。水色を基調とした掛け紙には、鮭の絵が描かれており、何となく、鶏と玉子ではなく、鮭とすじこの“親子めし”なのかな(!?)とイメージができますね。
【おしながき】 ・味付けご飯 ・塩鮭ほぐし身 ・醤油漬けすじこ ・小葱 ・刻み海苔 ・香の物
掛け紙とふたを外すと、青いカラーの釜にいっぱい敷き詰められた鮭のほぐし身が現れました。コチラの鮭は荻野屋で丁寧に焼き上げたものだそう。そして真ん中には「すじこ」! この手の“親子”では、いくらが定番ですが、贅沢にたっぷりのすじこを使っているところに荻野屋の矜持を感じることができます。峠の釜めしと同様、別添の香の物も付いていて、アクセントを付けながらいただいていくと、どんどん箸が進みます。
かつて荻野屋の売り子さんが頭を下げていた横川駅のプラットホーム。いまは高崎からの普通列車が、概ね1時間に1本やってきます。列車が到着すると車止めの先で待ち受けるつばめマークが描かれたJRバスに乗り継ぐ方もいます。朝夕に見られる高校生は、碓氷峠を列車が走っていた時代にはまだ生まれていなかったのだなと思うと、25年あまりの歳月の重みを感じます。
ライター望月の駅弁膝栗毛 「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介! 著者:望月崇史昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。 駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/