豊昇龍 あるぞ55年ぶりW綱獲り 優勝に準ずる13勝 琴桜と初場所昇進だ!
◇大相撲九州場所千秋楽(2024年11月24日 福岡国際センター) 豊昇龍は足を滑らせ、土俵に手をついた。琴桜との相星決戦にはたき込みで敗れ、8場所ぶりの賜杯を逃した。それでも13勝2敗と優勝に準ずる好成績に高田川審判部長(元関脇・安芸乃島)は「強い相撲が多かった。これを続ければ夢に向かって近づく」と話し、来場所は横綱昇進に挑む見解を示した。 言葉にならない叫びを上げた風呂上がり。豊昇龍は一度は両手で×を作り、取材に応じない意思表示をしたが、次第にこみ上げる思いをこらえられなくなった。「絶対に忘れない。来場所、やり返す」。早くも琴桜との再戦に思いをはせた。 立ち合いからの攻勢が悔しさを倍加させた。右喉輪で先手を取り、さらに右喉輪。今場所、威力を発揮した右からの攻めを計4度。流れるような連続攻撃を繰り出した直後、自身の右足も仕切り線の上を走り、流れてしまった。「緊張もなかった。12勝で優勝して、何で13勝で優勝できないのかな」。土俵上に腹ばいで大の字にはった。 琴桜とともに綱獲りに挑む来場所。同時昇進となれば70年春場所の北の富士、玉の海以来、55年ぶりとなる。その北の富士さんが今場所中の12日に天国へと旅立った。豊昇龍と琴桜も好敵手としてしのぎを削り、偉大なる先人によい報告を届けたい。