倉悠貴、主演映画「OUT」撮影中にJO1・與那城奨の大ファンに 品川ヒロシ監督の演出に圧倒
倉悠貴が主演、品川ヒロシが監督・脚本を務める映画「OUT」が11月17日(金)に公開される。本作は、品川監督の中学からの友人・井口達也さんの青年時代を詰め込んだヤンキー漫画が原作。少年院から出所して保護観察中の達也(倉)は、次けんかをしたら一発アウト、トラブル厳禁の身で、地元から遠く離れた叔父・叔母の下、焼き肉店で働きながらの生活を始める。そこで、暴走族「斬人(キリヒト)」の副総長・要(水上恒司)と強い絆で結ばれたことで、違法薬物を売りさばく半グレ集団「爆羅漢(バクラカン)」との血で血を洗う激しい抗争に巻き込まれていく。 【写真】JO1・與那城奨“圭吾”ら暴走族に囲まれる倉悠貴“達也” WEBザテレビジョンでは、“狛江の狂犬”と恐れられた伝説の不良・井口達也を演じる倉にインタビュー。「まさかヤンキー役のオファーが自分に来るとは…」と話す倉に、役へのアプローチ、本作への思い、醍醐虎汰朗ら共演者の印象などを聞いた。 ――今作で初めてヤンキー役を演じられるとのことですが、最初に本作の話を聞いたときはどう思いましたか? ヤンキーを描いた作品は映画やドラマで見ていましたが、自分自身はヤンキーとかけんかとかには全く縁がなく、ただの憧れでしかなかったので、まさかヤンキー役のオファーが自分に来るとは…という思いでいっぱいでした。 ――もともとアウトローな作品はお好きでしたか? 好きです! 格好いいなと思います。ヤンキー映画を見た後は、風を切って歩いていました(笑)。 ■醍醐虎汰朗&⽔上恒司とジム通い ――“伝説の超不良”を演じるにあたり、撮影前から念入りな体作りを行っていたそうですね。 監督の品川さんにジムに誘っていただいて、クランクイン前からほぼ毎日通って体を鍛えていました。撮影現場にもダンベルやベンチプレスが用意されていて、撮影の合間も鍛えてほしいということだったので、空き時間も鍛えるなど、今までやらなかったアプローチをしました。 ――体作りをしながら、役作りもされていたのでしょうか。 ジムには水上くんと醍醐くんも一緒に通っていたので、「今の会話、達也っぽいね」と教えてもらったり、鍛えながら「達也だったら行けるよ! もっと!」と追い込んでくれたり(笑)。みんなで一緒に体を鍛えながら、徐々にキャラクターや関係性を作れたと思います。 ――井口達也という役は、映画「ドロップ」(2009年)にも登場したキャラクターですが、倉さんは今作でどのような達也を演じたいと思いましたか。 大人気漫画のキャラクターなので、ファンの方々の期待を裏切らないようにしたいなという思いはありました。でも、実写だからこそ表現できる部分もあると思ったので、原作のキャラクターにがっつり寄せるというより、そこに生きている人間として、役がちゃんと立つように演じることを意識しました。 今作は達也の成長物語でもあるので、アウトローな世界に踏み込むか踏み込まないかの葛藤など、達也の繊細な部分が結構リアルに描かれています。演じる中で、「ここが達也の転換点なんだろうな」と感じる部分が何度かあり、オファーを受けたときに抱いた役のイメージがどんどん変わって、人間らしい役にしたいなと思うようになりました。達也の人間らしさや成長していく姿にも注目していただきたいなと思います。 ■本番直前まで反復練習「できないからこその泥臭さが出た」 ――迫力のある抗争シーンが描かれますが、撮影はいかがでしたか。 けんかや抗争シーンは初めて経験することが多かったので、現場に迷惑をかけたかもしれないし、日々自分との戦いみたいなところもあったのですが、周りの方々が支えてくださったのでやり切れたと思います。痛がる芝居をするときに自分の腕を殴っているキャストがいて。いいアイデアだなと思ったので、まねして自分のことを叩いていました(笑)。楽しく撮影できたので、いい仕上がりになっていたらうれしいです。 ――映画化が発表された際、醍醐さんが倉さんについて、「『出来ないよ~』と言いながらも、本番直前まで反復練習をひたすらしていて、向き合っている姿がすてきでした」とコメントされていました。 うまくできないなと思って現場で反復練習をしていたので、常に頭も体もいっぱいいっぱいでした。拳がパンパンになったり、できないからこその泥臭さが出たので、達也らしさが作品に現れたらいいなと思います。 ■品川ヒロシ監督の演出に圧倒「せりふがどんどん足されていって…」 ――撮影現場での品川監督の印象を教えてください。 品川さんは、監督の観点でも芸人さんの観点でも、どこをどうしたら面白くなるかというのを一番理解されていて、アクションも誰よりもできて、作品に対する熱情もすさまじく、「品川さんに付いて行ったら間違いないな」と思えるほど絶大な信頼感がありました。また、ご自身で編集もされるので、いろいろな視点から冷静に現場を見てくれる監督だなと思いました。 ――そんな品川監督の現場で印象に残っていることはありますか。 コメディー要素のあるシーンは、本読みや撮影中に「じゃあこれも言っちゃおう!」みたいな感じでせりふがどんどん足されていって、もともとの台本も結構分厚かったので、ちょっと大変でした(笑)。監督が突っ込むところとかを実際に演じて見せてくださったのですが、間の取り方が絶妙で「プロだな…」と圧倒されました。 ――同世代のキャストが多く出演されていますが、撮影現場はいかがでしたか。 熱い現場だったなと思います。同世代のキャストが多い現場で、みんな胸の奥に「絶対こいつらよりいい芝居をしてやるぞ」とライバル心を持っていたと思うので、言葉にはしなくても役に懸ける熱量を感じました。 ――撮影現場の熱量が高まった瞬間や、団結力が生まれたシーンはありますか。 ボーリング場で達也が絡まれる序盤のシーンは、団結力が生まれたんじゃないかなと思います。みんなが集まるシーンなのですが、初めの頃にそのシーンの撮影ができたので、こういう現場なんだという共通認識や、バランスみたいなものが見えたシーンでもありました。 ――お気に入りのシーンはありますか。 あっちゃん(醍醐)と千紘(与田祐希)と達也の三人で空を見上げるシーンが好きです。激しいアクションシーンを撮り終えた後に撮影したシーンだったのですが、すがすがしい気持ちとともに、空を見ながら「なんかこの空気いいな」と達成感を感じました。あと、要(水上)と相撲をとるシーンも気に入っています。このシーンは映画の序盤に描かれるシーンなのですが、最初の引きになるポイントだと思ったので気合いを入れて臨みました。 ■醍醐虎汰朗の姿勢に感銘「いつも現場で笑いが起きていました」 ――圧倒的なカリスマ性を誇る「斬人」の総長・丹沢を演じる醍醐虎汰朗さんの印象を教えてください。 醍醐さんのシーンの撮影は、いつも現場で笑いが起きていました。毎回、醍醐さんが何を仕掛けてくるかわからないところがあったので、僕も面白おかしくやらせていただきました。台本を読んだだけではあのキャラクターにはならないというか、やっぱり醍醐さんだからこそできる役だなということがお芝居を見ていて伝わってきて、すばらしいなと思いました。 アクションシーンでは、自分がどこでどう入ればいいかということを何度も品川監督とお話されていて、ご自身の中でいろいろと組み立ててやられていたのだと感じました。喋り方だったり、間の取り方だったり、すごく勉強になりました。尊敬しています。 ――達也が絆を結ぶことになる暴走族の副総長・要を演じる水上恒司さんの印象はいかがでしたか。 最初にお会いしたときは腰の低い方という印象だったのですが、だんだん「おい、達也!」みたいな感じで要っぽくなっていって。ご自身で意識されて要のように振る舞っていたと思うのですが、撮影の合間も要と達也の関係のように僕をいじってきたので、彼のおかげで自然と関係性を築くことができたんじゃないかなと思っています。 ――ヒロイン・千紘を演じる与田祐希さんの印象はいかがでしたか。 与田さんは、常に自然体でいられる方なんじゃないかなと思いました。お芝居について現場で打ち合わせをすることはあまり無かったのですが、与田さんがもともと持っている空気感があったので、こちらも自然体で演じることができました。 ――与田さんとの撮影で印象に残っているシーンはありますか。 千紘が達也にビンタをするシーンがあるのですが、ビンタがすごく痛かったです…(笑)。本当に痛がる表情ができたので、ファインプレーでした。 ■撮影中にJO1・與那城奨の大ファンに ――今作は、JO1の與那城奨さん、大平祥生さん、金城碧海さんも出演されていますが、撮影以外でお三方とお話しすることはありましたか。 ありました! 撮影の合間に一緒にご飯を食べに行きました。大平さんと金城さんが関西出身なのですが、僕も関西出身なので、関西弁で話ができる安心感がありましたし、年齢も近かったので自然と仲良くなりました。あと、撮影中に僕が與那城くんの大ファンになりまして…。「マジでかっこいいっす!」とご本人に伝えていました。 ――與那城さんのどういうところに引かれたのでしょうか。 お芝居や性格もすてきだなと思いますし、お顔も僕の好きなタイプで、あの顔に生まれたかったなと思います。 ――「格好いいです」と與那城さんに伝えたときの反応はいかがでしたか? 「うれしいうれしい」と、言われ慣れている感じでした(笑)。 ■標準語の役を演じる際は「家で関西弁に変換」 ――これまで、数々の作品でさまざまなタイプの役を演じられていますが、ご自身に一番近いと思うキャラクターを教えてください。 ドラマ「わたしの一番最悪なともだち」(NHK総合)で演じた長野慎吾という役が、自分に一番近いキャラクターだったなと思います。関西弁で年齢も近くて、こんなにゆるくやらせてもらっていいんだと思うくらい自分の素に近い役でした。 ――ご自身に近い役を演じるのは、演じやすいものですか。 関西弁で演技をすることがあまりないですし、アドリブもガンガンできたのでやりやすかったです。標準語だと、一回考えなきゃいけないので。いつも標準語の演技をするときは、ニュアンスが合っているかを確かめるために家で関西弁に変換して言ってみるんです。関西弁の役だと変換する必要がないので、すごくやりやすいなと思いました。 ――最後に、「OUT」を楽しみにしている皆さんにメッセージお願いします。 ヤンキーの世界は別世界のように感じると思いますが、僕らと共通していることもたくさんあって、共感できる方もいると思います。そして何より、熱くなれる作品になっているので、ぜひご覧いただけるとうれしいです。劇場で映画を見た帰りに風を切って歩いてもいいと思います!