弟子3人の面倒を見る36歳競輪選手、令和の若者の育成術明かす「師匠感を出さないように、良かった時はなるべく褒める」
久留米競輪のナイター「西日本CHPCJC日刊コム杯(F1)」が3日、最終日を迎える。3RのA級特選に出走する日当泰之(36歳・青森=92期)に話を聞いた。 準決勝3Rで6着に敗れた日当泰之。高校時代は1000メートルタイムトライアルでインターハイ優勝の実績があり、S級経験もある日当が最終日は弟子の小笠原一真(24歳・青森=123期)と連係する。 「123期の一真、立花昌也(25歳・青森=123期)、高橋海月(23歳・青森=123期) の3人が弟子なんですけど、弟子との連係は初めて。高校の自転車部の先生から歴代の先輩に師匠打診の連絡があって、先輩みんなが遠慮したみたいで僕に回ってきました。121期の大川剛の時も断って永澤剛さんにお願いしていた経緯があったので今回は断りづらくて…。弟子を取るのはこの3人が初めてで、それ以降はいないです」 立花は2月の特別昇班を果たし、その後も1・2班戦で何度も決勝に進出。小笠原は7月に初めて2班に昇班した。デビュー直後は大敗が続いた高橋だったが、前期の途中から好成績が増えて、先月の岐阜で通算2度目の決勝進出した。 「とにかく三者三様ですね。やっぱり一番力があるのは昌也かな。海月は冬期移動で立川に行ったのが良かったんでしょうね。ストレートでクビになっちゃうんじゃないかって心配だったけど、今の感じなら大丈夫そうかな。ひとまず安心しました。とりあえず1回2班に上がれれば、ですね。一真には今回、初日も2日目もレース後に話をしました。2日目は1着だったけど、斬り方が甘かった。その辺はちゃんと言いましたよ。相手が強くなったりすると通用しなくなるので」 闘志を内に秘めるタイプで温厚そうな日当だが、初めての弟子たちに対してきっちりと言葉で伝えているようだ。 「強くなってくれるなら嫌われたって構わないです。弟子を取る前からいろいろな人のレースをよく見る方だったけど、弟子のレースは必ず見ますね。海月は僕のこと好きじゃないと思いますよ(苦笑)。でも強くなってくれるならそれでいい。最近はよく褒めています。良かった時はなるべく褒めるようにしています。とにかく感情的にならないように、第三者の立場、客観的な立場で。あくまでアドバイスのように、あまり師匠っていうのを出さないように、を心掛けてます」 師匠と初めて連係する小笠原は「当日になると緊張すると思います」と表情を引き締めた。2人の初連係がどのようになり、レース後に日当はどんな言葉をかけるのか。次に会った時に聞いてみたい。 ちなみに日当には高校1年生の息子さんがいるようだが「自転車をやらせようとして、いろいろと言い過ぎてしまって嫌になったみたい。選手になることはないですよ」と苦笑い。子どもへの自転車指導はうまくいかなかったようだ。(netkeirin特派員)