大阪城堀に黄金色の御座船 気分はさながら太閤はん?
大阪城内堀に黄金色の御座船が就航、気分はさながら太閤はん?
大阪城の内堀を周遊する黄金色の遊覧船「御座船(ござぶね)」が25日、就航を開始した。豊臣秀吉が愛用した御座船を、船体に金箔を張った小型船で再現したもので、大坂の陣400年を記念する連続プロジェクトの一環。船が岸を離れると、眼前に天守閣が迫り、気分はさながら太閤はん?
石垣越しに見上げる天守閣は迫力十分
御座船は内堀にかかる極楽橋そばの船着場から、そろりと出航。内堀の中を20分かけてゆったり周遊する。水面が近い。いつも見慣れた大阪城の情景を映し出すカメラの位置が、ズンと低くなったようなアングルだ。船は電動モーターで静かに進むので、水がざわつく音まで聞こえてくる。水面をわたる風も心地よい。小型船クルーズ独特の感覚だ。 水面からそそり立つ石垣越しに見上げる天守閣は迫力十分。船は全長10・4メートル、全幅2・1メートルで、旅客定員16人。屏風絵に描かれた秀吉愛用の「鳳凰丸」をモデルに、3千枚の金箔を1枚ずつ手で張り、秀吉好みの黄金色に仕立て上げた。 大坂の陣400年天下一祭の一環として、伴ピーアールと水都大阪パートナーズが運営。船は伴ピーアールが建造した。
大阪の奥深さ 子どもたちに伝えたい
「大坂城は別名錦城と呼ばれ、夕日を浴びるときなどには黄金色に輝いていた。民の力で大阪を盛り上げたい。船を浮かべるには、太閤さんらしいド派手な金色の船が似合うだろうと思いついた」と、建造理由を話すのは、伴ピーアールの伴一郎社長。「たこ焼きやお好み焼きもいいが、大阪の魅力はそれだけではない。天下の名城を間近に見ながら、大阪の歴史文化の奥深さを、若い人や子どもたちに伝えたい」と意気込む。 クルーズには伴さんらガイドが乗り込み、築城にまつわる歴史秘話を解説する。石垣に埋め込まれた魔除けの人面石などを、随時石垣に近づきながら見学することができる。内堀クルーズは大阪再発見の旅にもなりそうだ。 運航期間は9月30日まで。午前10時から午後4時(最終便発)、天候不順などで運航中止も。大人1500円、子ども750円。問い合わせは伴ピーアール舟運事業部(06・6314・3773)へ。 (文責・岡村雅之/関西ライター名鑑)