札幌圏のバスさらに減便へ 1年で3度しかも初乗り運賃30円値上げで利用客痛手 専門家「待遇の良い貸切や観光バスに運転手が取られている」
北海道放送(株)
最近、ニュースで何度もお伝えしている路線バスの減便ですが、札幌圏では、10月1日からこの1年で3回目の減便が行われます。 【写真を見る】札幌圏のバスさらに減便へ 1年で3度しかも初乗り運賃30円値上げで利用客痛手 専門家「待遇の良い貸切や観光バスに運転手が取られている」 12月1日の冬ダイヤから、「143便」を減便する北海道中央バス。しかも、初乗り運賃も30円値上げされます。 減便の7割は、札幌圏。バスの減便は、この1年間で、3度目になります。 三國谷浩司 記者 「札幌清田区の清田団地線です。日中の利用客が最も少ない時間帯が、今回の減便対象になっています」 高齢化率が約50%の札幌の清田区。冬を前に、住民からは不安の声も。 住民 「病院はしょっちゅう行く。だから結構、大変」 「公共交通機関のバスがさらに減便になるのは、痛手なこと」 バスを利用する学生 「日によって、結構(授業が)始まる時間が違うので、ズレ(遅延)が起きちゃうといつもどおりの時間に着けないことが増えるかも」 この4年間で札幌市内のバスの便数は、1803便減少。運転手も285人減りました。 背景にあるのは、深刻な人手不足です。 帝国データバンク 札幌支店 渡辺雄大 情報部長 「路線バスの運転手が、待遇のよい貸し切りバスや観光バスに人が取られているというのも、今回の路線バスの運転手不足の要因」 各バス会社では、大型二種の取得支援制度やバスの運転体験会など、乗務員の確保に努力しています。 一方で、北海道中央バスが11月13日発表した、2024年4月から9月までの連結決算は4億3300万円の赤字。 1年前の、大規模な590便の冬ダイヤの見直しで、赤字は、約4000万円縮小したものの、先行きの見えない燃料費の高止まりが追い打ちをかけています。 帝国データバンク 札幌支店 渡辺雄大 情報部長 「収益的にも、燃料費が上がっていたり、地域の人口が減っていて利用者が減っている。赤字体質の中で、労働条件、賃金を上げられるかというと難しい問題。企業努力だけではすでに限界が来ている」 急速に進む路線網の縮小に、札幌でも新しい公共交通の2025年夏からの実験開始を検討していますが、導入までの道のりは、まだ長くかかりそうです。
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