【眠りと寝間着のクリエイター】吉田豊子さん/34歳単独出産。今年66歳で起業。その1
34歳単独で出産、自立したワーキングマザーとして新たな生き方を決断
着物の仕事がひと段落した1980年代後半からは東京で暮らし始め、大手百貨店での呉服・婦人子ども服・リビング生活雑貨などのトレンドやMD、売場の編集や商品開発に加わります。 「次にこれをしようと思ったことはないんです。『こんなことをしてみない?』と声を掛けていただいて、『じゃあやってみよう』そんな風に流れに任せてという感じでした。ファッションにかかわる仕事は、どんなことでも楽しかったですね」 吉田さんの人生で大きな転機が訪れます。 「34歳のとき出産のために大阪に戻ります。家族みんなに助けてもらいながら、といっても家事や育児は、ほとんど母と姉任せ。今こうして仕事が続けられているのも、家族のおかげです」
36歳、大手インナーメーカーで丁寧なパジャマ作りに魅せられてコーディネーターとして再始動
百貨店での活動の縁で、ある大手インナーメーカーから吉田さんに声がかかります。それはパジャマや肌着、部屋着などの企画や開発の打診でした。 「家の中の暮らしや、日常生活に和の要素を取り入れる企画展などを百貨店でしていた流れからのご縁でした。ワクワクしながらお引き受けすることにしました。 そして、30年以上フリーのコーディネーターとして、さまざまな商品開発や販売にかかわらせていただき『素材にこだわった上質のパジャマを作りたい』『ファッション性の高い部屋着を提案したい』『おしゃれをする楽しみをパジャマにも取り入れたい』という思いがどんどん膨らんできて。 2023年に個人で事業を始めようと決心。それが『衣香舎IKOUSHA』です。
65歳『衣香舎IKOUSHA』を起業。「おしゃれね!」「素敵ね!」そう言われる寝間着や部屋着を発信したい
30年以上のインナーメーカーや百貨店の売り場作りで培われた知識や経験、おしゃれな寝間着や部屋着を作りたいという思いが結実し、『衣香舎IKOUSHA』が誕生しました。 「大人の女性が心地よく過ごし眠るための寝間着や部屋着を作ろうと立ち上げたブランドが『衣香舎IKOUSHA』です。 寝るだけの服ではなく、着たときに気分が上がるものを作ろうと、日本中の生地の産地をまわり、肌触りが心地よく丈夫な岡山のコットン生地にたどり着きました。そして縫製も国内で。ぜひ肌で感じていただけたらうれしいです」 その2では、吉田豊子さんのライフスタイルを紐解きます。お楽しみに! 衣香舎IKOUSHA 日本産の生地と縫製から生まれた“寝間着・部屋着・毎日着”を展開。素材選び、デザイン、販売などすべてを吉田豊子さんが行う。オンラインショップ、関西や東京のポップアップショップで販売。 衣香舎HP: オンラインショップ: 眠りのデザイン研究室 Instagram:@ikousha_lifestyle email:ikousha.co@gmail.com
写真 玉井俊行 取材・文 河田実紀
クウネル・サロン