「日本の教育は世界に比べて遅れている」と言われがちだけど…実は世界に引けを取らない日本の教育の底力
こんにちは。グローバル教育コンサルタントとして、海外留学の仕事をしながら3歳の娘を子育て中のみたむです。 今回は、最近耳にしがちな「日本の教育は遅れているのでは?」というトピックについてお伝えしたいと思います。 日本って実は凄い! 海外で子育てをする母親が外から見て気づいた、世界に誇れる3つの魅力
日本の教育は世界に通用しない?
世間では「日本の教育は遅れている」と言われていたり、海外への教育移住者が増えたり、なんとなく日本の教育ってよくないのでは?と思う人もいるのではないでしょうか。 しかし、グローバル教育コンサルタント目線で見ると、日本の高校までの教育は決して悪くないのです。 例えば、OECD生徒の学習到達度調査(PISA)*を見てみると、2022年の結果ではOECD加盟国38カ国中、数学的リテラシー(1位)、読解力(2位)、科学的リテラシー(1位)と、3分野全てにおいて世界トップレベルの結果を残しています。 前回2018年調査から、OECDの平均得点は低下した一方、日本は3分野全てにおいて前回調査より平均得点が上昇しています。 *PISAとは…OECD加盟国を中心として3年毎に実施される15歳を対象とした国際的な学習到達度テストです。 読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野を中心とした試験で、義務教育修了時点で学んだ知識を実生活にどの程度応用できるのかを測ります。 この結果を見て感じることは人それぞれだとは思いますが、グローバル教育コンサルタント目線から見ると、“やっぱりな”という感じです。というのも、日本の高校に通っている学生が海外の大学に入学するときに学力の証明としてSAT(アメリカの大学能力試験)を受験することがあるのですが、学生の取得したSATスコアを見ると、このランキングに納得できるんです。
SATは英語(800点)と数学(800点)のテストなので、英語がある程度できることが前提となりますが、数学は日本の高校で数Ⅱ、数Bくらいまで勉強していれば太刀打ちできるので、偏差値60前後の高校に通っている学生で評定平均3.5以上は取れている場合、先述した条件を満たしているのであれば、大体SAT1300点(1600満点)くらい取得してくる人が多いです。 世界基準のテストで8割のスコアが取れる学生が多くいるというのは、世界的に見ても日本の学生の学力の高さを物語っていると言えるのではないでしょうか。 実際の大学の例を挙げると、世界ランキング19位(QSランキング2023)のシドニー大学のBachelor of Arts(いわゆるリベラルアーツ学部)の入学条件はSAT1130点なので、多くの日本人学生は世界ランキング上位の名門大学へ入学ができる可能性があるということです。 よって、日本の教育水準の高さは世界レベルであり、捨てたもんじゃないよ!と、私はお伝えしたいです。 ちなみに、海外の大学を目指す場合、高校留学をしたりインターナショナルスクールに通わないといけないのではないかと考える人もいるかもしれませんが、英語が堪能ではない場合、そこでいい成績を取るのが難しいので、逆に海外の大学へ進学することの難易度が上がる場合もあります。 なので、日本の高校に入って日本語で学び、しっかりいい成績を取るというのも、海外大学を目指す上ではいい戦略なのです。