慶應・中央・法政…難関大付属がひしめく神奈川!「中高一貫校」四模試志望動向で分かった人気の入試とは?【2025年共学校編3】
● 隔年現象の「神大附属」と「法政第二」 こうした難関・上位の私立校と肩を並べるのは、3日に適性検査が行われる三つの公立中高一貫校だ。いずれも募集定員と同数の合格者を出している。2024年の実倍率を見ておくと、160人募集の横浜市立南高等学校附属(横浜市南区)が4.17倍、80人募集の横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校附属(横浜市鶴見区)が5.36倍と高いのだが、22年・23年はそれぞれ5.23倍・5.15倍、5.58倍・6.2倍とさらに高かった。160人募集の神奈川県立相模原中等教育学校(相模原市南区)も、実倍率5.24倍とやはり高い。 初回入試を1日午後に設定したことでブレークした神奈川大学附属(横浜市緑区)は、系列の神奈川大学には1割も内部進学しない他大学への進学校となっている。[1日午後1回]は24年に672人が受験し、実倍率は2.32倍だった。[2日2回]は同様に665人で3.28倍と、1回目と受験者数では肩を並べる。[4日3回]は353人と受験者数は半減するが、実倍率は9.54倍と跳ね上がっている。年々倍率は高まっており、志望者数を見ると、1回が2割強、2回が1割強それぞれ増えており、25年はいずれもさらに倍率が上がりそうである。 卒業生の9割が法政大学に内部進学する法政大学第二(川崎市中原区)も人気の付属校だが、実倍率には隔年現象が見られる。24年には、[2日1回]が789人受験で3.79倍、[4日2回]は603人で5.03倍といずれもかなりハードルが高い。1回は22年3.72倍と23年3.93倍、2回は22年5.7倍と6.53倍で、神奈川大学附属とは逆の動きとなっているのが興味深い。ちなみに、東急東横線・目黒線とJR南武線「武蔵小杉」を同じく最寄り駅とする小中高がそろう大西学園(川崎市中原区)は、入試情報など一切非公開で、実態は不明だ。
● 「桐蔭」と「山手学院」の人気動向 かつては東大合格者数100人超の時代もあった桐蔭学園中等教育学校(横浜市青葉区)から系列の桐蔭横浜大学への内部進学は卒業生の1割程度で、神奈川大学附属同様、外部進学が主体となっている。年々倍率が上がっており、2025年も基本的に上昇傾向にある。一番受験者数が多いのは[1日午後1回午後]で、24年は557人が受けて実倍率2.38倍だった。次いで、[2日午後2回午後]が453人で3倍となっている。志望者数を見ると、1回午後は減少傾向、2回午後は1割半増となっている。 [5日3回]は248人が受けて8.86倍(23年は3.96倍)とハードルの跳ね上がった入試回だが、志望者数が1割半増えており、25年はさらに上がるかもしれない。初回入試は第一志望者が集まる大切な入試回なのだが、[1日1回午前]は184人と受験者数は控えめだった。ところが志望者数は3割半増と人気化しており、24年実倍率2.59倍から25年は3倍に向かう動きとなりそうだ。 ここからようやく、大学系列ではない進学校の名前が出てきた。午後入試で特待選抜を行う山手学院(横浜市栄区)は、2科の[1日午後特待選抜I]に24年は572人が受けて実倍率1.7倍と、最も受けやすい入試回だった。25年は[2日午後特待選抜II]もあるのだが、志望者数を見ると300人近くが受験するかもしれない。 2科・4科の[1日A]と [2日B]は、いずれも志望者数が1割弱増えている。24年はそれぞれ、302人で実倍率2.54倍と260人で2.05倍だった。どちらもここ数年緩和傾向だったが、25年は少し上向きそうである。 その他の公立一貫校では、県立平塚中等教育学校(平塚市)と川崎市立川崎(川崎市川崎区)が上位・中堅校と肩を並べる。24年実倍率は4.14倍と3.94倍だった。