バリアフリーも洗練された 大改造!!劇的ビフォーアフターが見た家の課題
日本がすでに直面し始めている長期の課題が高齢化。高齢化に対しての依頼も増えているカテゴリの一つ。これも華やかなビフォーアフターではないが、生活そのものに関わる大きな課題だ。そうした依頼の物件は、当然バリアフリーになる。 一方で、壁や廊下に手すりを取り付けると、その出っ張りは“いかにもバリアフリー”といった趣きになり、全体のおしゃれさを損なうパーツになりかねない。だからこそ、手すりを手すりとして見せない工夫が生まれてくる。玄関の壁に手すりを埋め込んだり、収納扉の引き戸の桟を倒したりといった“匠の技”は、高齢化とスタイリッシュに生活したいというニーズを両立させる。
高齢の親と生活するためのリフォーム依頼も多いが、なかには、結婚せずに親と一緒に住むなど、ライフスタイルの変化も見られる。ライフスタイルに合わせて住宅をリフォームするのであって、その逆ではない。井口さんは言う。「番組が描くのは家族とリフォーム前後の生活の変化です。家というのは人生そのものですから、依頼主が80歳のクライアントであれば、80年の人生を1時間や2時間に凝縮することになります」。
家はすべての生活の起点
井口さんは、家は単に雨露をしのぐ場所ではないという。「人間、どこにいてもいいはずなんだけど、住む場所を決めて、そこに住みます。そこは第一の場所であるから大事にしたい。家族がいる場所であり、すべての生活の起点でもある。快適にしたい楽しく過ごせる場所にしたい。だからこそアフターの感動もひとしおなんでしょうね。我々スタッフも依頼者の姿を見て、時に涙してしまいます」。