カメラが潜入!広島駅南口工事は今 全国初!路面電車がビル2階乗り入れ いよいよ来年夏開業
広島ニュースTSS
来年の開業に向けて着々と工事が進んでいる広島の陸の玄関口も大きな変貌を遂げています。来年夏には国内初の試みとなる駅ビル2階への路面電車乗り入れも予定されている工事の現場にTSSのカメラが入りました。 <VTR> 今月、特別に撮影が許された工事現場の内部…。 【野川キャスター】 「ええ~!すごい!。上り下り各1線できたものがここで線路4本になってこの構内に入っていく、ご覧ください!いやー広々としていますね。この空間は唯一無二ですね。ここを電車がギューッとグワーッと進んでいく…素晴らしいですね」 去年12月…。 路面電車の高架の「橋脚」全てが完成した広島電鉄の新ルート。 【広電広島駅JV・平井修副所長】 「来年は様々な桁をかけたり、大きな工事が進んでいく」 今年2月には…。 【鈴木記者】 「駅前大橋ルート、広島電鉄の電車が通るまっすぐの直線ですが、いま多くの工事関係者が集まっています」 広島電鉄では”初”となるドイツ製の特殊なレールを設置するポイントで、溶接も普段とは違った工法で行われていました。 そして春には着工から1000日無事故を達成し、地域の住民らが表彰。 【地域の住民】 「この通り自体に地域の者としても夢を託していますので」 6月には多くのファンが駆け付けた目の前で…長さおよそ43m、重さおよそ250tある巨大な橋桁が大州通り上にかかり、駅前の景色は一変しました。 そして…。 【参加した小学生】「発展が楽しみ」 現場を見学した小学生が胸を”アツく”した夏には…。 交通への影響を抑えるため限られたスペースで進めた駅前大橋の橋桁設置が完了。 秋には駅ビル2階とつなげる工事が本格化します。 現在の路面電車の乗降場がある真上に橋をかけるため、西側で半分組んだものを東側にスライドさせるなど大きく2分割して架設。 そして、今月2日の夜…。 体を曲げながら狭いエリアで奮闘する作業員たち…。 ジャッキで支えながら仮で受けていた支柱を一つ一つ外し、ゆっくりと下ろしていきます。 90センチ降下して、ついに駅ビルと橋が完全につながりました。 【野川キャスター】 「橋桁が完全におり、2階部分に路面電車が乗り入れることになるが、お客さんを雨から守る屋根がみえるとおもうが、そこと(今回つくられた2階部分のアプローチの構造物の)すき間が本当にごくわずかなんですね、非常に難易度の高い作業であるということがわかると思う」 さらに注目したのは「大州通り」と「駅前大橋」の間…。 道路面からおよそ5mほどの高い擁壁がそびえ立っています。 【野川キャスター】 「いまクレーンが白い長方形の箱のようなものをひとまとめで吊り上げて中に運び入れていきます。どういったものなのかなと思ってみていると、成人男性の作業員が一人で持って運べるくらいの…」 実はこの白いブロックは発泡スチロール。 土砂やコンクリートのおよそ100分の1程度の重さで圧力に耐える力(耐圧縮)や耐水性にも優れているといい、隙間がないようビッシリと敷き詰められていきます。 これまで道路工事では使われてきましたが、営業する線路での使用は”日本初”で、不要な重量をかけないよう地下広場の上部につくるこの場所や広島駅のホームに採用されました。 そのホーム部は…。 去年11月に撮影した際には一面、ビッシリと足場が組まれていましたが、こちらも秋以降、本格的な工事がスタート。 路面電車が営業終了した後、高所作業車や資材などを駅ビルの外壁に当てぬよう慎重に運び込んでいきます。 【鈴木記者】 「いま一台のトラックが入ってきました。荷台の部分には梱包された資材が載っています。横には架線という字が確認できます」 この細長い柱は路面電車に電力を供給する「架線」を支えるポールです。 そして今月上旬…。 特別に内部の撮影が許されました。 「ピッタリ750…(*メジャー動かして)ピッタリ750です」 「これもズレてる…?ん?どれがズレてる?」 【広電広島駅JV・桐山遥奈さん】 「軌道なので車線の幅は決まっているので、(施工図の情報を記す)墨をうったあとも一定の間隔でズレていないよなと(管理している)」 この日は、電車から流れ落ちた雨水などを排水する側溝を作ったり、電気の線を収容するための箱の設置なども進めていました。 一方、ホーム部の施工管理をしている社会人2年目の桐山遥奈さん。 広島大学工学部を卒業後、東京に配属されましたが2年目で広島駅の工事に携わることになったといいます。 【広電広島駅JV・桐山遥奈さん】 「地域の方からすごく注目されていて、長く残っていくものだと思う。いろいろな人が使っていくものだと思うので関われたのはすごくうれしい」 来年夏に開業予定の新ルート、駅ビル2階への乗り入れ。 工事関係者と地域が一丸となり新たな時代が切り開かれようとしています。 <中継> 【野川キャスター】 稲荷町の交差点から地上部分からグッと高さを上げていき、駅前大橋を渡って大洲通りを跨ぐ形でこの先、新しい駅ビルの2階部分に広島電鉄の路面電車は入っていきます。その直前の鉄筋が見えているところに、この後コンクリートが入って、その上にレールが敷かれていくということで、まさに、今この瞬間しか見られないという光景が広がっています。 ここでゲストをご紹介しましょう。まさにこの部分の工事を担当されていらっしゃいます桐山さんです。 Q:この1年、本当に大きく変貌している。工事関係者の方々は1年を振り返り何を感じていますか? 【広電広島駅JV・桐山遥奈さん】 「街中での作業になるため、作業に伴う交通規制や騒音など、多くの皆様にご迷惑をお掛けしながら、工事をさせていただいていると感じております。私自身はこちらの事務所に来て、まだ3カ月ほどですが、現場としては既に着工から4年が経っており、今年に入って3カ所の高架橋の架設や、コンクリート擁壁の打設、各停留所の整備などを行ない、新ルート のための完成形が見えてきたのかなと思います」 まさに今、完成形とおっしゃいましたけれども、明らかにここに電車が通って行くというイメージができる、そんな段階を迎えています。さて、桐山さん、現場ですね。どのような思いで日々の仕事に取り組んで、どんなことを心がけていらっしゃいますか? 【広電広島駅JV・桐山遥奈さん】 「こちらの現場は地元の方から注目されている現場だと聞いておりましたので、事故のないように安全第一で作業するように心がけております。またこのような大きな現場に関わることが出来て、大変、嬉しく思っております」 JR、広島市、そして広島電鉄の3者が連携して行われていく工事です。私もこの広島駅というのは日常通勤でも毎日通る場所ですけれども、日々こう生まれ変わっていく姿というのを見て胸が躍る思いです。 さて、ここから開通というところはもう本当にラストスパートの時期に入って行くかと思いますが、最大の山場というのは、この後どんなことがありますか? 【広電広島駅JV・桐山遥奈さん】 「今後は橋梁部でのレールの敷設や架線柱の建て方など順次行っていく予定となっております。そのための基礎工事もまだ手つかずの箇所もありますが、来年の夏に無事開業できるように、一つ一つの作業を確実に進めていきたいと思っております」 まさに、この瞬間も広島駅は生まれ変わりつつあります。1秒1秒ごとに新しい広島駅へとどんどんどんどん変わっていっていく、そんな光景です。 地元の皆さんの期待、そして外から来る皆さんの喜び、そういったものも抱えながら、まさにこれからラストスパートを迎えていく新しい広島駅の様子をお伝えしました。
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