阪神・佐藤輝 豪快なプレースタイルとは裏腹に実は理論派 驚かされた打撃に対する探究心 方向性は明確にイメージ
新春BIG対談が実現。阪神・佐藤輝明内野手(25)と、2月の春季キャンプで臨時コーチを務める糸井嘉男SA(43)=デイリースポーツ評論家=が“師弟対談”を行った。佐藤輝が改良に取り組んでいる打撃フォームを実演すると糸井氏は興味津々。超人は後輩のサポートを約束するとともに、今季のタイトル奪取に期待を寄せた。息ぴったりの近大OB2人のトーク。取材した担当記者が印象を振り返る。 ◇ ◇ 終始笑いの絶えないにぎやかな対談となった。先輩を前に、やや緊張気味の佐藤輝を糸井氏が“超人節”でほぐしていく。現役引退以降、野球解説からバラエティー番組まで引っ張りだこの売れっ子らしく、楽しい掛け合いで佐藤輝の素顔を引き出してくれた。 約30分の対談の中で驚かされたのは、佐藤輝の打撃に対する探究心の深さだ。豪快なプレースタイルとは裏腹に実は理論派。現在の取り組みについて、バットを持って分かりやすく実演してくれたように、自身が目指す方向性は明確にイメージできているのだろう。 言動からも覚悟は伝わってくる。今オフは球団の月間予定表に佐藤輝の名前は極端に少ない。聞けば可能な範囲で露出は抑えているという。リーグ優勝、日本一になった昨オフはハワイV旅行をはじめ、祝勝会にイベント出演など大忙し。トレーニングへの影響がなかったとは言えず、反省を生かして今オフは野球漬けの日々を送っているそうだ。 佐藤輝から自然と「もうええでしょう」が飛び出したのは昨季の話題を尋ねた時だ。人気ドラマ「地面師たち」で人気のフレーズで笑いを誘った形だが、よほど悔しいシーズンだったのだろう。今年プロ5年目。覚醒の瞬間をファンも糸井氏も心待ちにしている。(デイリースポーツ・杉原史恭)